シマボシさんの所で働きたい!(シマボシ)
「ここで働かせてください!」
なまえの突然な言葉に、シマボシは目を丸くさせた。
「お前は先程入団テストをクリアし、調査隊へ入団が決まったじゃないか……?」
「えぇ、えぇ、そうなんですけど!」
なまえは下ろしたての調査隊服を翻し、隊長室を見渡した。
「隊長の机に溢れかえる書類を見てたらいても立ってもいられません!
私にも書類仕事手伝わせてください!」
なまえの言葉につられるように、シマボシも部屋を見渡す。
この状態が常であったから気にしたことはなかったが、
かといって、なまえの仕事で何か変わるものだろうか?
「……そこまで言うのなら、一週間お試し期間をやろう」
「わかりました!宜しくお願いします!」
深々と頭を下げるなまえをよそに、シマボシはなまえ増えたくらいで何も変わらないとたかをくくっていた。
結論から言って、なまえの能力は素晴らしいものであった。
これまでシマボシが全ての書類に目を通していたのだが、
一緒に誤字脱字の精査、内容の裏取り、次に書類を回すべき人物の振り分けなども行っていた。
そのせいで、本来シマボシがやるべき仕事が片付かず、机の上も書類の山だらけとなっていた。
そこになまえは目をつけ、シマボシではなくても対応可能な書類は自分や他のメンバーに回し、シマボシに見てもらうべき書類が確実に彼女の元へ回るようにしたのだ。
そのかいあって、シマボシの机の上から書類は消えた。
「……シマボシ? なまえの所属のことなんだが」
一週間後、デンボクに尋ねられたシマボシは、こう答えた。
「なまえでしたら、私の専属として働かせます。彼女はとても優秀なので」
ヒスイ地方初めての秘書が誕生した瞬間である。