過去の記事(転載)

▽2016/07/30(Sat)
『ああ息子』『ああ娘』から
2011年6月8日手書きメモの転載。
社会的性別の獲得方法。

うちの長男が4歳で、私は次男を妊娠中でした。
私の母「○○ちゃんは男なんだから、お母さんのことちゃんと守ってあげないとダメなんだよ?」
長男「なにから?」
という会話もこの頃だった。うちの長男はマジでセンスがいい、天才、と思ったもんです。(小4の今は凡人。)
*****



前作『ああ息子』に続き、育児ぼやき本の第2弾。息子本の方は多分一昨年くらいに読んだ。今回は妊婦としてのモチベーションアップをはかるために借りてきた。
内容は、毎日新聞読者による投稿文と、西原のショート漫画。2冊をざっくり読み比べると、男の子は元気だけが取り柄、かなり思い切った行動をとる、という方向性があり、女の子はおませ、小さいお母さん、という方向性がある。女の子の方が大人を見ていて、大人を目指している感もある。
実際の4歳児(うちの長男が通っている保育園内)を見ていると、より、そういう感じ。女の子は早々に女性を目指す。多分だけど、性別に対する意識は、男の子も女の子もある。(※1)しかし、身近な「男らしい男」「女らしい女」のロールモデル(※2)男の子はヒーローしか居ないのに対し、女の子はプリキュアだのAKBだのモデルだの、山ほど居る。
また、ほとんどの家は父よりも母の方が、子供と過ごす時間が長く、従って、男の子より女の子の方が、同性親と過ごす時間が長い。その為、「リアリティある大人」のロールモデルも、女の子の方が得やすい。「父の仕事」は子供には見えにくいが、「母の仕事」は外仕事以外にも、家事育児があり、その見える部分が子供たちにとっての「リアリティある大人」「女性」になっていく。(おままごとは女の子の遊びというイメージが強いよね)
保育園や幼稚園で、性別に対する認識がはっきりしてくること、母親が家の中で家族の世話を焼くこと、との2点が、女の子の大人化を促す。

どの本だったか忘れたが、小倉千加子が、母親が頑張らないことで世の中の価値観は変えられる、みたいなことを書いていたと思うのだけど、今更になってその意味が分かったような気がする。


(追記)
長男が年中の時(早生まれなので4歳でした)に、保育園の保護者会で、男の子の親御さんチームと女の子の親御さんチームに分かれて、「うちの子こんな感じ」「女の子・男の子の違い」「同性の共通部分」みたいなことを話し合う場が設けられて、私の目は死んでいました。
女の子らしくなってきたことや、男の子らしくなってきたこと、っていうのは、後天的な事実であるから、「ごく自然なことで当然なこと」ではあるけれども、「理由がない」わけではないんだよと。言いたかったけど目が死んだ。

※1:性別に対する意識
実際、長男は4歳くらいから遊びに性別をからめるようになり、男の子と遊ぶことが増え、TV見たことないのにヒーローごっこで遊んでいた。次男は4歳くらいの頃から「けっこん、けっこん」とうるさかった。
全体を見ても、男女に分かれて遊ぶことが多くなり、年長の6歳に至っては、ほとんど同性との遊びがメインになる。
ごくごく自然な形で、同性(同族)への同調が進められていく。

※2:ロールモデル
女性、男性、などのパーソナリティを獲得していく上で、無意識レベルで参考にしているもののこと。社会が何に同調するか、何が正しいか、という価値観のベースにもなっていると思う。
外部が提供する理想像みたいなものがとても強く影響する。周囲の人間からは「女の子なんだから」「お兄ちゃんなんだから」、雑誌からは「美肌」「小顔」「ナチュラル」「痩せたい」「みんなの憧れ」、アニメからは「正義」「愛」「希望」「未来」「可愛い」。


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