15話
昨日ギリギリまでデッキを調節していたせいか、寝坊をしあと5分で授業に遅刻…というところまで時間が来てしまっていた。やばいやばい、勿論朝食を食べている時間なんてない。階段を勢い良く駆け降り、DAの校舎へと向かうため坂を駆け上る。
普通に考えて間に合わないよ。あーもう、ここまで来たらいっそ遅刻でいいじゃん腹括ろうとか考えていたら後ろから雄叫びが聞こえてきた。
「え?」
思わず振り返れば私以上に勢い良く駆け上がってきた十代くんの姿が。
私に気付いたのかかけていた足を緩め、、はしなかった。そのままスピードを維持したままパシリと手首を掴んで、え、ちょまってよ!
「十代くん!」
思わず叫ぶように呼びかけてしまったことに反省している余裕は今はない。先ほど走っている様子から考えても十代の足は速い。なまえの駆ける速度よりも速いため思わず出てしまったという形のものだった。
置いて行ってくれて構わない、足がもつれそうになるのを必死になりながらそう十代に伝えれば走るスピードをワンテンポ緩めてなまえに合わせて走りだした。というよりも別の場所に向かいだした。
「どうせ間に合わないし、サボるか!」
「へ?サボるって講義を!?」
「ああ、どこ行こうか!」
決めてないのか!そんなツッコミは素知らぬ顔で十代は笑った。あ、これが自然の笑顔なんだ。ぼんやりとした頭で思う。
いきいきしてるなぁ、なんて微笑ましくなりこちらも思わず笑ってしまった。
向かった先は灯台で、何故か釣りを教わった。ひょいっ、やぶんっ!など拙い説明だったが、うん、初めてだけど実際にやってみたら結構楽しかった。
誘ってくれてありがとう、そう礼を伝えれば太陽な笑顔が返ってきた。
「ああ!俺も楽しかったぜ」
きゅん、と高鳴った胸を押さえ内心首をかしげる。
トクトクと一定の音を奏でている。
「どうかしたのか?」
本気で心配してくれる彼に悪いと思いつつ、暑さでやられちゃったと胸から手を離し火照っている顔を押さえ直して誤魔化すように笑った。
「そっか、……なら寮に戻った方がいいよな」
「そう、だね…」
残念だなぁ、もう少し遊びたかったけど。ふと過ぎった考えにハッとなる。初サボり満喫しすぎて今更罪悪感がこみ上げてきた。ばか、サボってしまったんだからもう少し反省しなければ…。
「ごめんね、十代くん、私のせいで間に合わなくてサボりになっちゃって……」
「気にすんなよ、俺今日スゲー楽しかったからさ!」
「わ、わたしも楽しかったよ、ありがとう」
ああ!笑って頷いた彼になまえも笑みを浮かべる。ほら、帰ろうぜ、と手を伸ばした。
その手に掴んでもいいんですか。
思わず尋ねてしまいそうになるのを飲み込んでソッと手を差し出す。迷わず掴まれた手にこれは、マズイと俯いた。
(ど、どうしよ…)
(え、え、震えてる?!どうしたらいいんだ?!)
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