Zet at zeT








「……で?」
「付き合いました、みたいな?」
「ゴールインしちゃいました、みたいな」
「ちゃうやろそれ」
「あ、そっか」
「で?」
「けんけんノリ悪いなぁ」
「しゃあない。謙也はKYで有名やから」
「あ、そっか」
「ちゃうわ。誰がKYやねん」
「けんけん、うちと蔵の事、祝ってくれへんの?」
「あー、よかったなー、おめでとさん」
「かなり棒読みに聞こえるんはうちだけ?」
「そんなん祝えるほど、俺暇やないねん」
「ゲーム片手に何言うてんねん」
「あ、それ昨日発売したやつ?」
「せや」
「珍しく学校遅刻して来たと思ってはおったが、まさかゲーム買いに行っとったとは…」
「けんけんやらせてー」
「嫌や」
「ちょっとぐらい良いやろ? うちとけんけんの仲やないの」
「こいつとお前の仲…ってどういうことや謙也…!」
「え、俺?」
「二回抱きしめてもらった仲、みたいな?」
「……ほぉ、なるほどなぁ…」
「ま、待て白石! 誤解や、誤解…!」
「それから…」
「お前もそれ以上何も言うなっちゅーねん!」
「あ、そういえば、けんけんに告白されたわ、うち」
「けーんーやー……?」
「怖い! 白石顔怖い!!」
「でもうち蔵が1番やし」
「……っ!」
「けんけんなんかやなくて、蔵が1番」
「お前…そんなに俺の事好いてくれてるんか…」
「蔵は? 蔵はうちのこと、」
「好きに決まっとるやろ。いや、好きやなくて、愛してる」
「蔵っ…!」
「愛してんで」
「うちも! うちも蔵の事愛してる!」

「教室の自分らの席やなくて、俺の近くでやるな。廊下とか、いや、廊下はあかんな。お願いやから人目のつかんとこでやってくれ。視線が痛いわ…」


(2010/09/17)