「しゃーおぱーいろーん、しゃーおぱーいろーん」
「ん? いつも歌っとる曲とちゃうやん。とうとうAKB飽きたんか?」
「AKBよりもっとすごいアイドルを見つけたンちゃいますか?」
「そうなん…か?」
「あたしの歌を聞けーっ!」
「はいはい、聞いてますからはよ出てってくれません? 俺ら着替えたいんすけど」
「えー…今から射手座歌うー!」
「もうCDもDVDもなんも貸しませんよ」
「やだ」
「なら今すぐ出てってくれませんか?」
「…しゃーなしやで。早く着替えな全員校舎周り108周な!」
「な、なんやその半端な数字…」
「じゃ、そゆことで!」
「……最近のあいつ、今まで以上にテンション高いんやけど…財前、なんか知っとるか?」
「なんで後輩の俺が知ってるんすか。あの人が頭悪いんはいつもの事やないですか。あ、謙也さんもか」
「なんでそこで俺が出てくんねん…」
「早くせな、俺がもってーけーってしますから」
「は?」
「少なくとも、今は謙也さんより俺を見てるっちゅーことですわ」
「は?」
「……みんなー、抱きしめてー! 宇宙のー、果てまでー!……」
「…外でもやっとるであいつ」
「金ちゃんとか居るんちゃいますか?」
「さすがに恥ずかしいんやけど」
「あぁ、謙也さんヘタレですもんね」
「ちゃうわ…!!」
「じゃ、俺行って訂正してきますわ」
「ん? 何の?」
「宇宙やなくて銀河やって」
「……えー………」
(結局財前は先輩が好き。2010/09/11)