リハーサルを見た紺野は言葉を失った。想像以上とは正にこのこと。意外な選曲とか、見たことない友人の表情とか、海咲の顔に似合わぬ高等テクニックとか、二人を取り巻く空気感。そういった全ての驚きを凌駕する感動。妙な高揚感。音楽にさして明るくない紺野だって、その演奏が素晴らしいものだとすぐにわかった。リハーサルだというのに体育館には拍手が巻き起こった。だというのに、演奏後すぐいつもの無愛想な顔に戻った友人を見て、ブフッと思わず吹き出す紺野。「先輩?何笑ってるんですか」「いや、ククク、ちょっとね」あんなに分かりやすいものなのか。




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