こおりの国で

 
ふふふ、と顔を見合わせて微笑みあって。それからベッドまで思いきり駆けて、そのまま柔らかな羽毛に飛び込んだ。お揃いの長い銀髪が糸のように宙へ舞い、絡まり合ってどれが自分の髪かさえもわからなくって、もう一度私たちは二人揃って笑った。

「ナーシャ、お姉さまたち驚いていたわね」
「ええ、ええ。ふふ、今頃きっと姉さんたちは怒って、お母さまに私たちのことを言いつけているかも」
「…ナーシャ、怖いことを言わないで。今日のお夕食が抜きにされるなんて、そんなの、私いやよ」

眉をひそめるなまえに私は勇んで、「平気よ」と言ってみせた。そうすれば、一転して表情を明るくさせ、「そうね、そうよね」と笑った。
綺麗な青い瞳。柔らかな銀髪。ナーシャ、と私を呼ぶ甘い声。お揃いの白い質素なドレスの裾をふわりとはためかせている姿も何もかも。私はなまえのことだったらどんなことでも大好きだった。
優しいお姉さんで、上の姉さんたちよりもずっと固い絆で結ばれてる、私となまえ。いたずらをするのも、こっそりとビスケットを盗むのも、いつだって一緒。

「ねえ、なまえ」
「なあに、ナーシャ」
「なまえは私たち、ずっと一緒よね」

ずっと、ずっと。この先も。
答えはきっと『ダー』だってなんの根拠もなく思っていたのだけれど。なまえは少しだけ頬をバラ色に染め、マントを付けた人形を胸元に抱き寄せると密やかな声で私の耳元に囁いた。

「ナーシャと一緒にいるのは好きよ、それにパパやママに、オーリャ姉さまやターニャ姉さまのことも。だけれど、私ね、将来はロシアの兵士と結婚したいの。それで、子供をたくさん作ってね、白樺の森の中に小さな家を建てて、慎ましやかに生きるのが夢なのよ」

それは初めて語った、なまえの夢。
ええ、そう。その夢は、まるで私たちロシア帝国の大公女にはまるで相応しくない、とても穏やかで小さなもので。
私は思わず口を間抜けに開いて、