1話
「必要ない。連中の監視はお前に任せてある」
主任はそう言ってファイルに興味を示さなかった。
だがシドは何か企んでいるのではないか…彼の表情からそう感じた進藤はファイルを確認しようと手を伸ばしたが、その手はシドに握り込まれてしまう。
「おーっと…何だ進藤ちゃん、このファイルに興味があんのか?」
「えぇ、念のため確認を…それを渡してください」
「相変わらずお仕事熱心だねぇ…だが主任様は俺に任せるっつってるが、良いのか?大好きなご主人様に従わなくて」
握り込んだ手を撫で回しながら自分を揶揄するシドへの悪態をどうにか堪えながら目線だけで主任の指示を仰ぐ。
「先程も言った通り、この件はシドに一任する…進藤、お前は私の補佐に専念してくれ」
自分等には頼ってもくれないくせに、一体何の補佐に専念しろというのか…自分一人で何もかもを背負ういつもの姿を思ってそんな不満が首を擡げたが、彼の真っ直ぐな瞳に射抜かれると何も言えなくなってしまう。
「…はい、失礼しました。」
ファイルから手を離すときシドが何かを
呟いたが、その声を聞き取ることはできなかった。
主任を真ん中にして後部座席に3人並んでる設定です。
本編に登場した車では大人3人が後部座席に乗るのは厳しそうですが、進藤くんは絶対主任の隣を譲りたくない子なので、車を買い替えたのだろうと思って読んでください。
その辺の話も書きたいのですがきっとコミカルになってしまうので完結後に考えます。
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