頑張ったからご褒美をください。
ジャーファルがやばい、と慌てふためきながら青い顔で飛んで来たシンドバッド王により連れ去られ、ユキは薬草園での仕事を一時中断せざるをえなくなった。
「様子はどうだ!?」
ユキを抱き抱えて走り続け、辿り着いたのは紫獅塔にあるジャーファルとユキの部屋だ。
部屋の前で中の様子を見張るヤムライハとヒナホホ、ピスティに声をかければ、今のところは動きがないとのことだった。
「あの、シンドバッド王……。ジャーファルさんがやばい、とはどういう……?」
「あ、いや。」
「まさか何かの病気に……!?」
「いや、違うんだ。病気ではないのだが、その……。」
「ユキは嫁だから知ってるだろうが、コイツが書類仕事ほったらかして遊びに出たシワ寄せで、ここ数日ジャーファルの仕事がいつもより多くてな。今度は4徹だったか? それで今日になってとうとう、ジャーファルがキレて倒れた。今は部屋で寝てる。」
ヒナホホの説明通り、ユキの夫・ジャーファルはここのところいつも以上に忙しいようだった。
ユキが起きる頃には既に仕事に出ており、宮中で会ってもほとんど会話らしい会話は出来ず、夜はユキが寝ている間に部屋に戻って束の間の休息をとり、少ししたらまた仕事に向かう、というハードな日々をジャーファルは送っていた。
無茶を続けた結果、今日の昼前、ジャーファルは白羊塔にある文官の仕事部屋で突然、シンドバッド王に対する罵詈雑言を叫びながら立ち上がり、直後倒れた。
すぐにジャーファルは医官からの治療を受け、今は自室で寝ている。
シンドバッドが恐れているのは、ジャーファルが起きた時だ。
いくら治療を受けて眠ったとはいっても、記憶は残っているのだ。自分が何故倒れたか、どこの誰のせいで4徹する羽目になったかを、彼は絶対覚えているだろう。
ジャーファルの説教は怖い上に長い。
そこでシンドバッドが思いついたのが、ユキを使うことだった。
ジャーファルは堅物で割と短気で仕事人で冗談が通じない男だが、嫁には甘い。あのジャーファルが全力でアタックしたほどゾッコンの相手だ。
仕事の疲れを嫁に癒してもらえば、自分へのペナルティーが軽減されるのではないか、という算段である。
「ユキならジャーファルから酷い目に遭わされることはない!」
「えっ、あの……?」
「じゃああとは夫婦水入らず、だな!」
「よろしくお願いするわ!」
「よし、撤収ー!!」
あっという間に消えてしまった、元凶とヒナホホとヤムライハとピスティ。
ふう、とため息をつくと、ユキは部屋の扉を開けた。
夫婦用にと広い部屋をもらったものの、物をあまり持たない二人には、この部屋は広すぎた。
寝台の枕元にそっと近寄り、ユキは寝ている夫の頬をそっと撫でる。
ものすごく久々に触れたかのような感じがして、少しだけのつもりだったのに、頬から手を離せない。
「……ここ数日、ろくに会話も触れることも出来なかったから、結構寂しかったんですよ。」
そう、ぽつりと漏らすと、頬を撫でる手を突然捕まれ、驚いている間にユキは天井を向いており、ジャーファルはこちらを見下ろしていた。
「私もユキに触れたいのをずっと我慢していたんですよ。だから、覚悟してくださいね。」
-5-「様子はどうだ!?」
ユキを抱き抱えて走り続け、辿り着いたのは紫獅塔にあるジャーファルとユキの部屋だ。
部屋の前で中の様子を見張るヤムライハとヒナホホ、ピスティに声をかければ、今のところは動きがないとのことだった。
「あの、シンドバッド王……。ジャーファルさんがやばい、とはどういう……?」
「あ、いや。」
「まさか何かの病気に……!?」
「いや、違うんだ。病気ではないのだが、その……。」
「ユキは嫁だから知ってるだろうが、コイツが書類仕事ほったらかして遊びに出たシワ寄せで、ここ数日ジャーファルの仕事がいつもより多くてな。今度は4徹だったか? それで今日になってとうとう、ジャーファルがキレて倒れた。今は部屋で寝てる。」
ヒナホホの説明通り、ユキの夫・ジャーファルはここのところいつも以上に忙しいようだった。
ユキが起きる頃には既に仕事に出ており、宮中で会ってもほとんど会話らしい会話は出来ず、夜はユキが寝ている間に部屋に戻って束の間の休息をとり、少ししたらまた仕事に向かう、というハードな日々をジャーファルは送っていた。
無茶を続けた結果、今日の昼前、ジャーファルは白羊塔にある文官の仕事部屋で突然、シンドバッド王に対する罵詈雑言を叫びながら立ち上がり、直後倒れた。
すぐにジャーファルは医官からの治療を受け、今は自室で寝ている。
シンドバッドが恐れているのは、ジャーファルが起きた時だ。
いくら治療を受けて眠ったとはいっても、記憶は残っているのだ。自分が何故倒れたか、どこの誰のせいで4徹する羽目になったかを、彼は絶対覚えているだろう。
ジャーファルの説教は怖い上に長い。
そこでシンドバッドが思いついたのが、ユキを使うことだった。
ジャーファルは堅物で割と短気で仕事人で冗談が通じない男だが、嫁には甘い。あのジャーファルが全力でアタックしたほどゾッコンの相手だ。
仕事の疲れを嫁に癒してもらえば、自分へのペナルティーが軽減されるのではないか、という算段である。
「ユキならジャーファルから酷い目に遭わされることはない!」
「えっ、あの……?」
「じゃああとは夫婦水入らず、だな!」
「よろしくお願いするわ!」
「よし、撤収ー!!」
あっという間に消えてしまった、元凶とヒナホホとヤムライハとピスティ。
ふう、とため息をつくと、ユキは部屋の扉を開けた。
夫婦用にと広い部屋をもらったものの、物をあまり持たない二人には、この部屋は広すぎた。
寝台の枕元にそっと近寄り、ユキは寝ている夫の頬をそっと撫でる。
ものすごく久々に触れたかのような感じがして、少しだけのつもりだったのに、頬から手を離せない。
「……ここ数日、ろくに会話も触れることも出来なかったから、結構寂しかったんですよ。」
そう、ぽつりと漏らすと、頬を撫でる手を突然捕まれ、驚いている間にユキは天井を向いており、ジャーファルはこちらを見下ろしていた。
「私もユキに触れたいのをずっと我慢していたんですよ。だから、覚悟してくださいね。」
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