誘惑のメイド

「うんん……。」

温もりのより強い方向へ擦り寄り、体を密着させる。
すると、腰に置かれた手で優しく抱き寄せられ、目蓋を開けて上を見ると、そのまま唇を塞がれた。

「んう、ぁ……。」

舌を絡め取られ、歯列をなぞられ、腰の手がやわらかな尻を揉む。
他にやり場もない手は相手の胸元に置くしかなく、キスや尻揉みの刺激で思わず胸を揉んでしまうと、それに応えるようにまた刺激がくる。

しばらくそうした後、イゾルデは愛おしそうにユキを眺めてからベッドを抜けた。

「本当はもっと君を愛でていたいのだが、私はこのあと仕事があってね。けど、昼食と夕食は君ととる。それまで君のことはメイド長に任せてある。」

クローゼットからガウンを取り出して羽織ると、イゾルデはテーブルのベルを鳴らす。
少しして部屋に来たのは、昨日ユキが風呂に入った時にいた、妖艶なメイドだった。


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マリアンヌというそのメイド長は、タレ目と口元のホクロが特徴の美人だ。
そしてとても不思議な雰囲気がある。

イゾルデが部屋を出てから、マリアンヌはユキの着替えを手伝うと言った。ユキが、服があれば一人で着替えられると狼狽えながら言ったが、マリアンヌは一切無視し、あれから一時間近く、ユキを着せ替え続けている。

「ユキ様はお胸が大きくていらっしゃいますから、もう少し胸を強調する服が似合うかしら。」
「あ、あの、マリアンヌさん……。」

背中の紐を解いてスルスルと上を脱がせ、マリアンヌは背後からユキの頬に顔を寄せ、胸に手を添えると、下から持ち上げてたゆんたゆんと揺らす。

「あっあの!? マ、マリアンヌさ……!」
「うふふ、本当に可愛らしい御方……。イゾルデ様と初夜を過ごされ、昨晩は3度も精を注ぎ込まれたというのに、まるで処女のように初々しい。」
「!? な、なな……!」

ユキが、信じられないとでも言いたげに、頬を赤らめて驚いていると、うっとりしながらマリアンヌは続ける。

「初夜は王家にとって、とても大事なイベントですもの。内容は部屋のあちこちに潜んだ、わたくしを含む数人のメイドが確認済みです。3度もイゾルデ様が勃たれたということは、ユキ様を大変気に入られた証拠ですわ。イゾルデ様とユキ様の性行為……大変恐れながら、わたくしとても興奮致しました……。」

ほう……と吐かれたマリアンヌのため息が耳に触れ、ユキが思わずビクッと揺れると、マリアンヌはクスリと笑い、

「感じやすいのはいいことですわ。」

と言った。

昼になり、ユキは別の部屋に通された。そこは広く、長いテーブルとたくさんの椅子が置かれ、食事はここでするのだろうと思われる。

少ししてからイゾルデが現れ、ユキを見るなり驚いたように目を見開く。

(え、どこか変? それとも知らずに何か失礼なことをした!?)

一人で慌てるユキをよそにイゾルデは距離を詰めると、ユキをギュッと抱き締め、唇に軽くキスをする。
周囲のメイドたちが「きゃあ!」と声を上げて顔を赤らめながら嬉しそうにしているが、イゾルデはお構いなしだ。

「そのワンピース、よく似合ってる。体にぴったりとした作りだから、おっぱいとお尻の大きさが服の上から丸わかりで、昼食の前に君を食べたくなるな……。」
「イッイゾルデさ……!」

イゾルデの手がユキの腰の曲線をなぞって丸い尻を撫で、ユキが「ひゃっ!?」と言って赤くなるのを見て、メイドたちは鼻血を出したり、袖口や眼鏡に仕込んである小型カメラでこっそり撮影したりと各々反応した。

尻を撫でられても耳を甘噛みされてもユキが流されず、結局イゾルデが折れ、あれからすぐに昼食となった。
夫婦は端と端に分かれて座って食事をするのが習慣であったが、「夫婦で食事を一緒にするのに、そんなに離れて座るのはおかしい」とユキが疑問を述べたところ、「私も愛する君と離れてしまうのは嫌だ」とイゾルデが応じたため、二人は距離を詰めて座り、食事をしている。

美味しそうに食べる妻の顔を、イゾルデは愛おしげに見つめる。

「昼までは何をしていたんだ?」
「マリアンヌさんから、この国について色々教わりました。」
「そうか。マリアンヌは優秀だから、わかりやすかっただろう。」
「……はい。」

ユキの返事が遅れたのは、マリアンヌの授業を思い出したからだ。
先程までのあの時間、ユキはマリアンヌから、この国、デンメルンク王国の大まかな仕組みや事情、イゾルデを始めとした王族について教わった。
各ジャンルの最後には、教えた内容に関するクイズが出されたのだが、これが問題であった。
間違えると、その度に胸を揉まれるのだ。
ユキが間違える度に、マリアンヌは嬉々として背後から胸を揉みしだいて大きさとやわらかさを堪能した。
正解した際の、どこか残念そうな表情が、とても印象的だった。

「午後もマリアンヌに頼んである。夕食をとってからは自由だから、もう一息だ。お互い、午後も頑張るとしよう。」
「……はい。」

頑張ろうと言って微笑むイゾルデがやけにかっこよく見えて、返事がまた遅れてしまったが、ユキの頬は赤く染まっており、胸の鼓動は騒がしく、まるで恋する乙女のようだった。