コアラな話


オーストラリア大陸は不可思議千万な生物の宝庫だったりする。
理由ははっきりしていることになっている。
オーストラリア大陸が他の大陸から離れ幾千万年。その間、生物が独自の進化したのだそうな。

ところで、オーストラリアにはコアラなる動物が存在する。
コアラはユーカリを食べる。
コアラはユーカリが大好きだが、消化するのは苦手である。苦手なので、食べたら寝る。
コアラ達は明日のために今日も寝るという生きざまを続けてきたのだ。彼等は生きるために寝続けるのだ。

さて、コアラには意外な話がある。
ユーカリはコアラにとって本来毒なのである。本来毒なのでコアラは消化が苦手なのだ。

コアラは本来ユーカリを消化できない訳だが、現在コアラはユーカリを旨そうに食いまくっている。
なぜか。
コアラの母親は赤ちゃんに離乳食として自らのウンコを食べさせ、赤ちゃんコアラに微生物だか酵素だかを身体に採り入れさせるのだ。
母親コアラは赤ちゃんがある程度大きくなると、そろそろ赤ちゃんのために美味しいウンコ作ってあげなくちゃ的なことを思って、食べさせるのだ。
これはこれでひとつのドラマではある。
が、この話に感動した皆様、間違っても真似しようなどと思わないで欲しい。

ちなみに韓国にはトンスルなるウンコを原材料とする酒があるそうだが、これはその宣伝ではない。勘違いしないで頂きたいものである。

閑話休題。
コアラの話に戻ろう。

この話で思うのは初めのコアラのことである。
お腹の空いた始まりのコアラ達はユーカリを食べたのだろう。そして、生き延びたコアラもお亡くなりになったコアラもいたのだろう。
そしてあるとき救世主的コアラが現れて
「俺のウンコ食えば死ななくて済むぞ」
と気がついたのだ。

そしてその救世主的コアラに従った勇敢なコアラの子孫が今日のコアラだという話なのである。
この辺りの話、まさに進化論の妙である。

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