第3松
六つ子が(正確にはそのうちの四人が)、昔わたしをイジメていたことを気にしてるらしい。
チョロ松に至っては、昨日おもいきり頭を下げてきた。
私としては何でも言い合える仲っていうか、そう言うものだって、実際そこまで気にしてなかったんだけど、実はそれなりに人の心を持ち合わせた奴らだったらしい。
とまぁ、事の発端は、先日六つ子宅でご飯を作った時にカラ松と他の兄弟たちの扱に差があった事、らしい。
でも正直それは仕方のないことだと私は思っいる。だってそうでしょ?好きな人には少しでも良く思われたいって女の子なら誰でも思ってるもん。
確かにちょーと扱いに違いがあったかなとは思わなくもないけど、あんなに美味しそうに食べてくれるカラ松見てたら仕方がないと思うんだ。うん。
兎にも角にも、昔の事を六つ子が気に病んでいるという。
実はこの事をこっそり教えてくれたのはカラ松だ。
ご飯を作った後、六つ子と一緒に食べていざ返ろうという時、カラ松が「夜の一人歩きは危ないぜ、ハニー」とおもむろに立ち上がって私を家まで送ると言ってくれたのだ。この時のカラ松、ホントかっこよかった!
ちょっと恥ずかしかったけど、車道側を歩いてくれるところとか、歩調を合わせてくれるところとか、さりげない優しさがホントかっこよか....。うぉっほん!
そんなドキドキの帰り道の時、カラ松が苦笑しながら言ったのだ。ごめんな、と。 酷い事してごめん、と。
「あいつら、お前にちょっかいかけてたの後悔してるんだ。本当は優しい兄弟たちだからさ。」
おそ松には俺から言っとくから、と。
だから本当はチョロ松が謝ってくる前に私からフォロー入れようと思っていたのだけど....。結果的にはそれをきっかけに(本当にそうかはよく分からないけど)、なんか前より六つ子との関係がよくなった気がするのだ。いや、前が良くなかったとかそういう事じゃなくって....。私が六つ子を見る目とかそういうのが変わったというか、しがらみがなくなったというか....。兎に角、六つ子との距離が良い意味で縮まったのだと思う。
カラ松は回りを見てないようでよく見てる。他人の痛みには人一倍敏感だし、自分の事より他人の事だ。兄弟たちの事はとっても優しい目で見ているし。キャラで隠されちゃってるけど、ほんとうは、ほんとうに、優しい人なのだ。
だから、私が何が言いたいのかっていうとね?トド松、
「このサングラス、どっちがカラ松に似合うかな?」
- 4 -
*前次#
ページ: