え、兄妹同士!?
「…だ、だんちょ…!なんでここ、に……っ」
「なんでって、月白がいなくなったからに決まってるだろ?この歳になって迷子にでもなった?」
「ち、違いますよ!私は阿伏兎さんに言われて地球に来て、仕事も済んだんで息抜きを……」
「俺をほったらかしで月白がそんなことしていいはずないじゃん。ほら、帰るよ」
「え、えぇ!?」
「あ、それとも…月白が俺に抱かれてくれるんだら別にいいけど。好きなおかずは最後までとっておくタイプなんだけど、月白は別だし。今すぐにでも味見しちゃってもいい?」
「だ、ダメですって!ちょ、団長!?ここをどこだと思って……!」
「ほんとだコノヤロー。人んちで盛ってんじゃねー」
神威と月白の言い争いの間に入ってきたのは、銀時だった。…そして彼の言うとおり、月白たちは今、銀時の家…万事屋へと来ていた。いや、来ざるを得なかった。
「え、何。旦那も混ざりたいって?嫌だな〜まず最初に月白を食べるのは俺って決まってるから、旦那は二番目でいい?」
「か、かか勝手に変なこと決めないでくださいっ!」
会った早々セクハラに会うという始末……あぁもう、この人といると頭が痛くなるよぅ……!
「大体、オメーがここにいられるとこの家まじぶっ壊されちまうっての」
「だ、大丈夫ですよ…っ私が責任を持って団長を無事連れて帰りますから……っ」
「…それが、そういうわけには行かねェんだよ…ったく、どうしてこう、面倒事が多いんだよ」
面倒くさそうにそう告げる銀時に首傾げる月白。…しかし、その理由もすぐにわかることとなる。
「銀チャーンっ!めちゃくちゃ遊んで来たらお腹減ったネ!ご飯、卵かけご飯が………!?」
「あ、帰ってきた」
「へ?だ、団長…この子とも、お知り合いなんですか……?」
そう月白が尋ねたが、その言葉はすぐに掻き消された。
「神威ィィィィ!!!」
少女の怒鳴り声によって。
「お前っ!何こんなところで寛いでアルか!?ここは私の家ネ!!さっさと出て行くアル!!」
「おやおや、俺にそんな口聞いちゃって……」
「お前のそのねじ曲った根性、私が叩き潰してやるアル!!」
「わ、馬鹿!ちょ、月白ちゃんはそっちの馬鹿兄貴を抑えてくんね?」
「馬鹿……兄貴……?」
銀時の言葉に一瞬動きを止めた月白だったが……だんだんと頭が働いていく。
左右の睨み合う男女を互いに見てみれば……同じ橙の髪色に同じ顔つき……
「きょ…兄妹ィィ!?」
月白の驚く声が万事屋中に響き渡ったのだった。
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