第2話 ミステリーツアーの参加者たち
〜コナン視点〜
蘭とおっちゃんと俺の3人は阿笠博士の代わりに「伊豆ミステリーツアー」に参加した。
内容は参加者の中に紛れて込んでいる主催者を見つけ出すと
宿泊費がタダになるという単純なゲーム。
主催者はツアー中に「闇の男爵」に扮して何度か事件を起こすらしい。
その主催者を見つけ出すと、おまけである「プログラム」が手に入るというが…。

俺たち3人はロビーで7人のツアー参加者と出会った。
だが、参加者は俺たちを含めて11人。
俺たち3人と、ここにいる7人で10人。
後、1人足りねぇな。

闇の男爵についてお互いに牽制をしている参加者たちは、
おっちゃんが探偵の毛利小五郎と知ると皆、ひどく驚いていた。
なんであんなに驚くんだ?たかがゲームで…。

おっちゃんと蘭に部屋で博士から聞いたミステリーツアーの概要を説明すると、
おっちゃんは張り切り出した。
さっきロビーで会った人たちが、このツアーの参加者だが、あの時は1人足りなかった。
蘭とホテル内を散策しながら、ツアーの参加者での様子に不信を感じた。
闇の男爵にプールへ突き落されたことを蘭にごまかし、
着替えて夕食に向かった俺は、驚くことになる。
ツアー参加者の最後の1人がまさか、「あの人」だったとは…。





俺たちは、ツアー参加者の前田聡さんと佐山明子さんと夕食を共にした。
明子さんは、父さんの大ファンで、このミステリーツアーに応募したのも彼女だそうだ。
バロンのことなら誰にも負けないを豪語していた。
「あら、闇の男爵に詳しいのは、あなただけじゃなくってよ。」
そう言って上条さんが俺たちのテーブルの側へ来た。傍には、1人の男が一緒だった。
「へ〜、闇の男爵と同じショートボブとは。お姉さんも結構イケる口ですね。」
な、なんで…。俺は驚きを隠せなかった。
「でも、上条さんの言う通り、バロンをよく知っているのは、あなただけじゃない。」
そう言って不敵な笑みを浮かべるその男を、俺はよく知っていた。
「あれ?」
やべっ。こんなところでこの人に会うのはマズイ…。
そう焦る俺をよそに、その男は俺に近づいた。
「君…もしかして………。」
や、やばい…。



「コナンくん?」


………………へ?


「やっぱり、コナンくんだ。久しぶり〜。」
元気にしてた?などと笑っているその男は、子供の姿の俺に、抱き着いて耳元で囁いた。
俺に合わせてって、なんでここにあんたがいるんだよ?!

2016.7.14



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