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「い、今更ですか?」
「気がついていたのか。」
「だって、赤井さんってどう見たって待ってられなさそうじゃないですか。」
「その俺を待たせていたのだから、それ相応の返事を期待してもいいんだろう?」
赤井さんに渡された花束を持て答えに言いよどんでいるとしびれを切らした赤井さんが私の方を向きなおして口を開いていた。
「誄。」
「はい?」
両手を広げてこちらを見ている赤井さん、なんとなくだけれどやりたいことはわかる。が、私は今発疹だらけなわけで迂闊に触られるわけにはいかない。
「キャメル捜査官にも言いましたが、私今発疹だらけなので触らないでください。」
「・・・。」
「そ、そんな不機嫌そうな顔してもダメです!」
「お前が殺人バクテリアに感染したと聞いたときはどうなるかと思った。」
「はい、先走りましたすみません。」
「死んでしまうのではないか、とも。」
「・・・はい。」
「もうこんなことをしないと誓えるか?」
「え?あ〜、無理ですね。」
「だろうな。」
「わかっているなら聞かないでください。」
「・・・。」
「ですがそのかわりに、赤井さんに頂いた言葉に返事をしようと思うのですが・・・。」
「あぁ。」
「いいですか?」
「待ちくたびれたぞ。」
私が座るソファのなぜか隣に腰掛けた赤井さんはこちらをじっと見つめている。は、話しにくいことこの上ない!そんなに見つめられては出るもんも出ないではなか。
「あの、私。蘭ちゃんみたいにヒロインじゃないいし、守られる存在でもないと思うんです。どちらかといったら自分でどんどん行動していくタイプだし、それにいつかは元の世界に帰らなければならない時が来るかもしれません、それでも赤井さんは私が好きって言えますか?」
「・・・そんなことを気にしていたのか。」
「へぃ?」
「お前が守られるより、誰かを守るタイプだとは知っていた。それにあちらの世界にもし帰る時が来るのだとたら、俺が止める。」
「止めるって、どうやって?」
「さぁ?」
「・・・。」
「あぁでも、俺がそちらの世界に行くのも面白いかもしれんな。」
「面白くはないと思いますが・・・。じゃぁ、一つだけ質問を。」
「なんだ?」
「たまに赤井さんが会いに来て下さるの、とても嬉しいんです。でも何かを調べて欲しいとかそういうのがあって来ているような気がして、赤井さんは私の情報が欲しいんですか?」
「・・・この間言ったはずだが。」
「そ、そうなんですけど。」
赤井さんはため息とともに私を抱きしめた。あれだけダメだって言っているにも関わらず腕のなかでじたばたする私に御構い無しに強く抱きしめてくる。
「お前が欲しい。」
「・・・。」
「情報ではなくお前が。調べて欲しいと会いに行ったのも口実だ。」
「口実?」
「お前に、会いに行くための。」
「・・・フフフ、あははは。」
「笑うな。」
「すみません、だって。かわいいなぁって。」
「この年の男にかわいいというな。」
「年齢、気にしてるんですか。」
「・・・で、返事は?」
「・・・はい、不束者ですが宜しくお願いします。」
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