ジワジワと7月の容赦ない熱気から逃げるため私はアパートへ逃げ込んだ
玄関の自動ドアをくぐるとクーラーの冷気が体を包み込む
汗ばんでいた体には少し寒い
「あぁ!** ちゃん、お帰りなさい」
たまたま玄関を掃除していた管理人さんが出迎えてくれた
照れながらも「ただいまです」と、返すとニコリと笑ってくれた
1年ちょっとやっているが、まだ馴れず少しくすぐったい
「今日は早かったのね、終業式?」「はい」
なんて世間話を交わし、エレベーターに向った
チーンと鳴ってエレベーターが止まった
自分の部屋に向かいながらこれからの予定を立てていく
課題は夏休みに入る前に大体終わったからあとは…
慣れた手つきで鍵を回し本日2回目の「ただいま」を言う
先程と違うのは返事が返ってこないことだ
しかし、ガタリと、大きな音がした
リビングの方だな
何か倒れた?それとも…泥棒?
朝行くとき、鍵を閉めたよな…
近くにあった傘を武器に恐る恐る音のした方へ足を進める
ゆっくり、音を立てないようにドアを開けるとそこには天使がいた
無言でドアを閉めた
一旦落ち着け、自分
あれは天使じゃない、いや天使だけども!!
自分の目が狂ってなければあの天使はヘタリアのちびロマーノだ
成る程、領主が好きすぎて幻覚を見たか…
それとも夏の暑さに頭がやられたか…
傘を戻して再びリビングへ入る
あれ??まだ幻覚が見える
おかしいなー、明日辺り病院へ行くかと、考えてジッとちびロマーノを見つめる
相手もジッとこちらを見つめてくる
心なしか涙目だ
あーー、涙目+上目づかいのロマ可愛い、美人、尊い
すると、ちびロマ(幻覚)は口をパクパクさせて「お…」と、声を発した
「お…」??なんだ声まで出るのか、もう私の頭は手遅れのようだなんて、考えていたら
「おれはロマーノだぞ!!!」
私が幻覚だと思っていたロマーノが急に叫んだ