成長記2

「おれはロマーノだぞ!!」

涙目+上目づかいの可愛いさMAXの領主にそんな事言われたら答えは1つ

「よく存じ上げております」

光の速さで返事をしたら、ロマーノの肩がビクリと飛び跳ね、えっ?えっ??って顔をした
かわいい(確信)

ダメだ、落ち着け自分
取り敢えず話を聞こう

「あのー、南イタリアのロマーノさ…君であってる?」
ロマーノさんって言いそうになったけど年齢的に君づけの方が良いよね?
ロマーノ君はなんでそれをっ!みたいな顔で見つめてきた
表情が顔に出やすいんだね、かわいい
「そうだぞ!お前なんで知ってるんだっ!」
「実はですね…」
自分の部屋から漫画を持ってきてなんとか「ヘタリアの中のロマーノ」を知っている事を説明した
始めの方は理解してなかった様だけど漫画を持ってきた辺りから今居る「世界」は自分の「世界」とは違う事が分かった様だ

説明が一段落した所で質問をする
「ロマーノ君は親分の所から来たの?」
「おやぶ??誰だそれ?」
「あぁ、スペインさんの事だよ」
「スペイン…」
ありゃ?元気が無くなった
「おれ、今度スペインに支配されるんだ
おれ、消えちゃうのかな…?」
ロマーノ君はポロポロと涙を流しながら呟いた

「大丈夫だよ」
心のなかでは「誰か、私に一眼レフをっ!!」なんて叫んだが、後一歩の所で留まってロマーノを抱きしめた
いや、下心はありませんよ、9割しか
「天下のローマ様がスペインに支配されただけで消えるわけないでしょ」
なんとか笑顔で言えた(と思う)
そうしたら一旦泣きやんで、その後さっきとは比べ物にならないくらいびぇぇぇと、泣き出した

「ふぁっ??」って思ったけど、まぁ自分が消えるかもしれない中、知らない世界、知らない人(しかも変人)に保護(?)されたら普通に泣くわな

取り敢えず背中をポンポン叩いてたらいつの間にかスヤスヤ寝ていた

寝顔を見て一眼レフの購入が決まったのは言うまでもない