成長記4

トイレもすっかり終わったロマーノ君に朝ご飯を作る
自分だけだったら食パンか、そもそも食べなくていいのだが流石にロマーノ君にはご飯は食べて貰いたい
イタリアの朝食は軽めの物で良かったんだよね?と、自分のこれまでの知識をフルに働かせて取り敢えず目玉焼きと、トーストを作った
ロマーノ君は「まぁまぁだな!」と、言っていたがまぁ、良しとしよう

飲み物の牛乳を飲んでロマーノ君は辺りをキョロキョロ見回した

「なぁ、お前ママとパパはいないのか?」
「あー、それなんですがね…」
コクリとロマーノ君の喉が鳴る
「実は…うちの両親どちらとも…」
「生きてます」
「さっきの沈黙は何だったんだよ!!」
怒られた
「いや、本当しょうもない理由何ですけどね…」
うちの両親は先程述べた通り両方ピンピンしている
しかし、私の高校合格が決まった次の日に父さんの会社から『移動することが急遽決まった』との、連絡を受けた
今さら高校を変えたくないし…と普通の反応を示した私に対し母さんは
「じゃあ、私父さんと離れたくないから一人暮らしね」
と一言で私のマンションでの一人暮らしが決まった

「と、言う理由なんですよ」
ロマーノ君が解かるまで何とか説明した
「お、おう…お前も苦労してんだな…」

子供(見た目)に同情されるなんて…
まぁ、うちの母さんは色々とぶっ飛んでいるから仕方ないと、最早諦めている

「じゃあ、お前この家に一人で住んでんのか」
「まぁ、そうなりますね」
「…寂しくねぇのか」
「え」
ロマーノ君は真っ直ぐこちらを見て尋ねた
正直寂しいちゃ、寂しい
「寂しいです」
「じゃあ、俺がお前の家族になってやるよ!」
そ う き た か!
てっきり、「一緒に暮らしてやる」とか言ってくると思ったのに!
家族か…
「うーん…まぁ、良いですよ」
一緒に暮らしましょう
そう告げると目をキラキラさせて
「これからよろしくなっ!」
と言ってきた
「よろしくお願いしますね」
こうして新しい家族ができた