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「もうほっといてやれ!!!あいつは自由だ!!!」

俺がそう言った瞬間ドフラミンゴの指先が動くのが何故か分かった。
ーあぁ打たれるそう思った瞬間だった。
俺は気づいた時には冷たい地面に伏せていた。
その瞬間聞こえる銃声。だがそれははじかれたようで、キンッという音が響く。

「っち!!なぜこんな場所に!!」
『グルルル』

押さえられていた何かがどき、その姿を見れば金色に輝くドラゴンだった。
鱗は全て金色で所々結晶のような透明な鱗で覆われ、その爪も透き通っていた。
その金色の姿を見た時ひとりの少女の姿が浮かぶ。
ドラゴンか薄く開いた口から低いうなり声を上げドフラミンゴを睨みつけていた。
再度銃を放つが瞬時にその大きな翼で防御している。
と思いきやいきなり発生しだす風。
辺りはいきなりの吹雪になる。

ドラゴンはドフラミンゴが目を隠している間に俺の身体を傷つけないようにその手で握る。
そして飛び立とうとしたので急いで待ったをかける。

「そ、この…宝ば、こっ!」

そう言えばドラゴンはもう片方の腕で宝箱を掴み今度こそ飛びたつ。


コラさんを打たせまいと風を起こしあたりに吹雪を起こさせる。
雪が多く降っていたため吹雪となった瞬間あたりは白に覆われる。
その間に傷ついたコラさんを抱き上げ、ローを探そうと飛び立とうとすれば、コラさんから「そこの宝箱も持っていけ」との指示。
それにより、ローがこの中にいると判断し、右手で宝箱を、左手にコラさんを掴んで飛び立つ。
とりあえずコラさんの手当てが先だ。
私は比較的近くに父の船があるのを感じ、そこに進路を変える。
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「ドラゴンさん!金色のドラゴンがこちらに向かってきます!」
「!!」

船員の言葉に空を見れば重苦しい雲の間から金色のドラゴンがこちらに向かって飛んでくる。
急いで船員にその場を離れるように指示すれば金色のドラゴンは身にまとっていた風を消し、両手に持っていた者たちを置く。
特に心配そうに長身の男を見ていたため、ドラゴンは近くに待機していた船員に声をかける。

「すぐに医務室に!」
「「はい!」」

船員二人によって長身の男は運ばれる。
見る限り相当なケガを負っている。金色のドラゴンはその様子を見て左右色の違う瞳で見た後、右手に持っていた宝箱を容易に破壊する。
そうすれば、中から金銀財宝に紛れてアザラシ柄の帽子をかぶった少年が出てきた。

「…この子は」
「トラファルガー医師の子」

一陣の風が吹いた後、金色のドラゴンがいた場所には自分の愛娘であるシャルが立っていた。

「ということは任務完了か?」
「うん」

シャルはローに近寄ると、殴られて腫れた瞼をなでる。
そして軽々と抱き上げると、自室に連れていく。そんな背中を父であるドラゴンはじっと見ている。

彼女の部屋には簡単な薬は置いてあるため、慣れた手つきで傷口に処置を施していく。
最後に包帯を巻くと、コラさんの容態が気になったため、医務室へ向かう。
向かう途中体の大きなくまに会う。

「彼の容態は?」
「…命には別状はない」

その言葉を聞いてほっと息を吐く。
その様子にくまは珍しいものを見るように見下ろしてくる。

「…なに」
「…いや」

そういってくまはすたすたと甲板のほうに向かっていく。
シャルは頭を傾げるが、くまのあのような行動は今に始まったことでもないため、医務室に向かうはずの足を水をもらうために食堂のほうに向ける。