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取引の行われる三日前。
道に迷いながらもようやく敵のアジトのあるルーベックの東に位置する"ミニオン島"につくことができた。
私は殺気を殺し、足音を立てずにアジトに侵入する。

「子供?」
「こんにちはおじさま」

見つかってもニッコリと笑みを浮かべ、凶器へと変貌させた右手で敵の心臓を抜き取る。

「へ…」

ーグシャ

私はあの世界ではこの技術がとても好きだった。
相手の命を摘み取る瞬間を直に感じることができるからだ。
その後も遭遇した敵を殺し、目的の部屋につくことができた。
丁度食事を持ってきた者がいたのでその影に紛れて部屋に侵入する。


「単純に考えてもおめぇ…医者がこれを喰らえば名医になる…そんなの俺達には関係ねぇ!」
「じゃぁそれ頂戴?」
「「っ!!?」」

ぎゃはははと笑う男たちの後ろから声をかければ全員驚愕の顔でこちらを見る。

「お前っ!!」
「ガキ!!?」
「ねぇ頂戴よ、おじさんたちまだ死にたくないでしょ?」

そう言って少し殺気を出せば男たちの中には恐怖で失禁する者も。
これ覇王色の覇気使ったら一発じゃない?

「あ、あぁあぁ」
「ねぇ頂戴?」

そう言って手を伸ばせばオペオペの実を持った男はガクガクと振るえる。

「っく!お前みたいなガキにやるわけないだろっ!!」

そう言った瞬間男たちの中で動けるものが発砲してくる。
だがそんなの上に逃げれば避けられる。
しかも鉛はそのまま真っ直ぐにいくのだから仲間に当たっていく。

「ぎゃあぁ!」と何人かが叫ぶ中オペオペの実を持った人物が部屋から抜け出す。

「ふふ、鬼ごっこ…私も好きよ?」

タッと音を立てて瞬時に男の後ろに追いつく。

「ひっ!!」
「追いついた…バイバイ」
「#sysru#っ!!」

男の心臓を抜き取り、実を回収すれば、目の前に走ってくるコラさんの姿が。

「あれ?コラさん来ちゃったの?」
「バカ野郎!あぶねぇじゃねぇか!」
「おぉう…?」

コラさんは私の肩を掴みガクガクと揺らす。
どうやら私の服についている血を見て危ないことをしたと思ったらしい。

「コラさんこれ…」
「これがオペオペの実」
「早くローに」
「お前は!!?」
「少し後片付けしてから行く」

コラさんにオペオペの実を渡し私はここに向かってきている賊を打ち取るべく己の腕を変形させる。
指先には巨大な鉤爪ができ、二の腕まで金色に輝く鱗が覆っていく。

「…シャルお前まさか…」
「コラさん内緒よ?」

そう言って微笑めばコラさんはその身を己の悪魔の実で無音にし、窓を飛び降りる。
さぁ掃除をしますかね…。

「なんだ!このガキの腕!!」
「うるさいな…黙りなよ」

あらかた掃除をした時だった。
外で銃声が聞こえる。
まさか…ここでコラさんのドジが発生したのでは、と思い残りを大きな鉤爪で一層する。
コラさんが飛び降りた窓から身を投げ、風を纏い飛んでいけば最悪なことに敵の亡骸に点々と続く血痕があった。
私は一度上まで飛び上空からコラさんを探す。
その時だった。
島に鳥かごのように何かが覆った。

「これは…糸?まさか!!」

私よりも下の方にバラバラと音を立てて飛ぶ飛行物体が。
この人型じゃ視界も狭い…。
私はいったん纏っている風を消す。

そして自分の身体を固い鎧に覆われた生物に変えていく。
そうすればこの獣の目は猛禽類以上の視覚を持つことが可能になる。

そして見つけた海岸付近にドフラミンゴとコラさんが銃を突きつけ合っていた。