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【肆】



 磨り減り。
ぼんやりと空を見上げる。
鳶。自由になりたい。臆病者。
 “弱い主は嫌いですか?”というのがテーマなお話を書く予定だった。
結界の小さな綻びから侵入してきた妖の類いが、鳶に化けて昼間から主を狙い襲ってくる事から始まる話。
 狙われるのは黄昏時、またの言い方を逢魔が時。
微熱気味。
審神者が体調を崩すネタ。
 今朝から少し様子が可笑しかった。
何処かぼんやりとしていて、気付いたらどっかに行ってしまいそうな。
 測ると自覚出てきちゃって怠さが増す。
不安になる。
心が磨り減る。

「僕等は刀だけど、今は人の身を得て、心もある。でも、元々は物だから、生まれた時から心を持つ主は、きっと、これまでたくさんの事を背負ってきたんだと思う。小さな身体で、辛かった事も全部抱え込んできたんだ。」

 最終的には光忠との絆をちょっと深める感じのオチ予定だった。

 もうぶっちゃけ此処で暴露しちゃうけど、この長編では、最終的には光忠寄り・光忠オチという展開で組むつもりだった。
まぁ、大方の流れで予測付いてたかもだけども。
一応、補完枠として暴露しとくぜぃ。


初出日:2021.04.24
加筆修正日:2022.01.11