それはヘンテコな世界
_このセカイはヘンテコだ
それは小さい時に読んだとある本に書いてあった言葉。
その続きには、
_どれだけ魔力を持っていても魔法を使えないものは多くいる。
どれだけ魔法が進歩してもテレパシーや転送魔法を使えるものは一部で、携帯電話や電車などが作られた。
昔はあんなに敵対していた魔界との関係も良好になり、今では人間に混じって角の生えた彼らの存在にも慣れてきた
世界が平和になった途端、何処かで平和が崩れていく_
などと書いてあったはず。
まだまだ沢山書いてあったのだが自分が覚えているのはここまでだ。
書いた人は確かこの国、ユキガオカの前王、ウカイという人だったか。
なんて目の前に広がる星空を見ながら考える。何故あの本のことをふと思い出したのだろうか。
ぼんやりと考えてみる。
あ、そういえば、なぜこの世界の魔法は進歩しているのにあの輝いてる星には行けないのだろうか、と疑問に思ったからだということを思い出した。
「ふぁ…、眠いなぁ」
このまま寝てしまえば、また兄に怒られてしまうかもしれない。
が、星を見ることが好きな自分はよくこのままベランダで寝てしまう。
下にはマットも敷いているし、薄い毛布を上に掛けているから別に寝てしまってもいいのだが、あの兄は心配性だからなぁ。
なんて考えていれば、瞼が重くなる。
もういいや、諦めてこのまま寝てしまおう。
と、諦めてそのまま意識をゆっくりと沈ませた。
その日の夢は、星の夢を見た。
沢山の星が自分の周りを回っていて、光が尾を引いて輪を作り出す夢を。
((わぁ、きれいだなぁ))
(おーい!珀空朝だぞー!)
(ってまたベランダで寝てるー!)
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