5-2

近くのガスの爆発が起こり、病院内はケガ人で溢れていた。オペが終わった患者から順にCTを撮っていった。と言っても数をこなすということでみょうじではなく犬山がCTを撮ることになり、葉山とCT室に籠りっきりになっている。撮れたレントゲンをファイルにわけたりなど雑務をこなしていると望月がにやにやしながらこちらに近づいてきた。

「みょうじー。王子様とは進んでる?」
「王子様…って誰なんですか?」
「この病院の王子様っていったら藍沢先生しかいないでしょう?」
「藍沢先生ってそうゆう風に呼ばれてるんですか?」
「いや、私が呼んでるだけよ」
「あ、そうなんですか…」

で、どうなのよ。と言われても藍沢とは時々話すくらいの関係だけどな…と思ったが先ほどの事を思い出しボッと体温が上がった。耳まで真っ赤にしたみょうじに何かあったと察した望月は鼻歌交じりに作業を再開した。

「……あれって素なんですかね」
「んー?何かあったのー?」
「…なんでもないです」

そう言ってみょうじも作業を再開した。