遠い色に耳を澄まして



さめざめと泣く朝焼けを撫でる

夢にまで見た君 でもやっぱり何かが違う

肖像画の中でただ1人時を得る

誰にも辿り着けない真実の朝

ほつれた糸が夢の終わりを告げる

枯れ落ちた水平線を踏むのは

遠退く背中に幼き日の迷夢を捧ぐ

かすりもぜずに空を切った右手

使い捨ての王子様なんて

馬鹿だなと罵ってほしい 別れの晩冬

嫌厭したはずの笑みが背景に滲んで定まらない

永遠のエンドロールを知ろうとして

届かない色に耳をすました



2017/03/26
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