心臓の下の



君の中は、踏み荒らされても瞬く間に元どおりになってしまう。靴跡だらけだった部屋は、元のまっさらな小部屋に戻る。どう荒らしても、どう傷つけても、どうしたって揺るがないのだ。
どうして、どうしてと考えている時、ふと、ある恐ろしい考えが思い浮かんでしまった。この世のものとは思えない、地の底のような、身の毛もよだつ、ある1つの可能性が。
まさか、そんな。いやでも、しかし、これ以外にはありえないのだ。まさか、まさか、こんなことが。
君のその生命力の源は、きっと。



2018/02/10
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