My Family

みなさんこんにちは。ヴァルブルガ・ブラックです。
三歳になりました。え?端折り過ぎ?ちょっと面倒くさくて。
さて、この三年間で分かったことは、私は某児童書の世界の住人だということです。名前でも分かるように、あのシリウスとレギュラスのお母さんであるヴァルブルガさんポジションらしい。そして私は思い出した。そう、ポッタリアンだった私は思い出したのだ。ブラック家がいずれは崩壊してしまうことを!!シリウスは出て行っちゃうし、レギュラスは若くして死んでしまうし。そんなの嫌だ!だから私は幸せ家族計画を練ろうと思います。
原作崩壊なんて怖くないもんね!それより自分の子供を守れない方が怖い。

「ヴァル、どうしたんだい。難しい顔して。」

「ううん、何でもないわお父様。」

「そうかい。絵本を読んであげよう。こっちに来なさい。」

「はーい。」

お父様であるポルックスさんはイケメンです。優しいです。かっこいいです。イケボです。絵本の読み聞かせの時間は至福すぎる。

「そして、三男は死を友として迎え、あの世に旅立っていきました。終わり。」

「三兄弟はみんな死んでしまったのね・・・。」

「ああ。でもきっとあの世で仲良く暮らしているよ。」

「うん!」

今日読んでもらったのは『吟遊詩人ビートルの物語』。てか、魔法界の童話面白すぎる。


「旦那様!!」

ポルックスさんとの癒しの時間に乱入してきたのは我が家の屋敷しもべ妖精サリーだった。

「どうしたサリー」

余談であるが、家の家族は屋敷しもべ妖精にひどい仕打ちをしたりはしない。なんでも、兄弟のいなかったお母様であるイルマさんは自分の家の屋敷しもべ妖精が唯一の遊び相手であって、家族のように思っていたようだ。嫁いだ先でもその考えは変わらず、サリーをとても大切にしている。イルマさん大好きなポルックスさんもイルマさんが大事にしている屋敷しもべ妖精を虐げるなんてことは絶対にしない。そんなお母様は私に純血の素晴らしさを説く一方で、屋敷しもべ妖精は家族だといつも言っている。現にお母様とお父様が忙しい時の私の遊び相手はサリーである。お盆が持てなくなった屋敷しもべ妖精の首をはねるのはブラック家本家だけのようだ。

「奥様が、奥様がお倒れに!」

サアーと私とお父様の血の気が引いた。

「イルマ!」

我に返ったお父様は私を置いてすぐに寝室へと駆け出した。
え?待って、お父様、置いてくの?お医者様は呼んだの?おとーさまー!落ち着いてー!

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