狩人は女王を殺す
「助けてください」
そう七人のチビが俺に膝をついて願う。見晴らしはいい。というか、
「俺、狩人だけどね」
その言葉に七匹のチビは目を皿のように丸くして(使い方合ってるっけ?)、バタバタと花に囲まれて死んだように眠る少女を隠そうとする。
俺はこの少女の母、ようは女王に刺客として刺し向けられたただの狩人。前任の狩人は「白雪をその美しさから殺せなかった!」と。まあその前任の始末も俺に任されたわけで。
とりあえず、今の俺の依頼は「白雪は私の念で仮死状態だから殺してこい!」ってこと。
カカカカカカカッ、サクッとチビ共を片付けて、俺は少女に近づく。
「まあ、俺を恨まない、」
で。と続けようとした俺は言葉を失う。真っ黒な髪と名前と同様真っ白な肌、真っ赤な唇がまるで熟した林檎のようだ。誘われるように口付ければ、パチリと長いまつげが上下に動き、顔が真っ赤に染まる。
「え、え、あ、あの」
「あ、」
これは女王負けてるじゃん。
俺は戸惑う少女を横抱き(俗に言うお姫様だっこ?)に持ち上げると、少女に顔を近付けて言った。
「俺、君の婚約者なんだよね。女王しんじゃったから迎えに来た。帰ろっか」
俺の言葉に少女は更に顔を赤くして、コクンと頷く。王女殺さなくちゃなー、仕事が一つ増えた。
katharsis