その後エディが必死こいて夕食までに課題を終わらせて、3人で食堂に向かった。

「ふふ、今日は食後にババロア食べようかな」
「はあ?サラお前、先週ダイエットするとか言ってたろ。まあ俺関係ないけど」
「きっ今日は特別なの!」
「でもサラ、前もそれ言ってダイエット失敗してなかった?私はサラにもっと食べてほしいんだけどな」

そう言ってサラの頬をつつくと、サラはもー2人して!と顔を真っ赤にする。
そんな彼女を見て、私とエディは顔を見合わせて笑う。

「そんな、お前万が一ダイエット成功して、痩せちまったら骨みたいになっちまうぞ?」
「それにサラは痩せなくても可愛いんだから気にしないの」

そう言うとサラは少しむくれてから私たちの背中をバシンと叩いて、そそくさと行ってしまった。
そんな後ろ姿を見てエディは少しぼやいたが、私が彼女の耳を指差すとニヤリと笑って、駆け足で追いかけていく。
もう可愛いなあ、耳まで真っ赤にしちゃって。

「きゃっ」

サラの女の子らしい小さな悲鳴が聞こえてきて、エディを抜いて私は足を早める。
曲がり角を曲がると、そこには尻餅をついたサラと、呆然と立ち尽くしているトム・マールヴォロ・リドル(以下、アイツ)がいた。

「ああ、ごめんよ、気づかなかった。怪我はない?」
「あ……い、いえ大丈夫。こちらこそごめんなさい」

アイツが差し出した手をサラが取る前に、サラを引っ張りあげて立ち上がらせる。
エディがすぐに来て、何かを察したらしく大きなため息を吐いた。

「悪いなリドル。こいつ人見知りでさ。どうせなんか失礼なことしたんだろ」
「いやそんなことないさ。こっちこそ、急いでて周りが見えなかったものだから」

じゃあ、と行ってアイツは食堂に向かって歩いていく。
ああ、これから気持ちよく食事をしようとしてたのに気分が害された。
サラは少しでもアイツと喋れたのが嬉しかったみたいで惚けてる。
エディはあいつも悪い奴じゃないんだぜ、とアイツの擁護をしている。
ああ、なぜかトム・マールヴォロ・リドルが気に入らない。



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