Chapter15 〜胎動〜





伝令神機にウルキオラとの接触、貰った情報を打ち込んで(織姫に関しては触れずに)、元流斎へと送信してから、私は倉庫街へ足を向ける。

そろそろ制御も終わった頃だろうと予測して。


結界を通り抜けて、階段を降りると。


「漸と来よったな!このハゲが!!」


虚化して斬りかかってきた猿柿の攻撃を避ける。


「危ないなぁ…ひよ里ちゃん。霊圧上がってるんだから、矢鱈に斬りかかっちゃ駄目でしょ?」


「誰がひよ里ちゃんや!ウチはお前に名前で呼んでええ言うた覚えないぞ!」


「ほら、女の子なんだから、そんな悪い口の利き方止めなさい」


「煩いわハゲ!お前に指図される筋合い無いやろ!あーもう腹立つ!避けんなや!」


叫びながらも尚斬りかかって来るひよ里が避けるなと言うので、仕方なく霊子を集めて刀を作り、受け止める。


「ちゃうわ!受けろ言うて無いねん!斬らせろ言うとんや!」


「やだよ。痛いもん」


「当たり前や!痛なかったら化けもんや!」


ぎゃいぎゃいと喚くひよ里が鍔迫り合いに体重を掛けたのを見計らって、平子の方へと彼女の身体を弾き飛ばす。


「宜しく」


「阿保かぁ!!刃物持ったまんまのひよ里こっちやんなや!俺が斬られるやろ?!」


叫びつつ、如何にか猿柿を受け止めた平子はやはり動きも良くなっていて。


「なら、最初から止めてよ」


「知るか!此奴が霊圧制御で勝手に鬱憤溜めまくっとったんや」


残りの階段を降りながら騒がしい彼等を見遣り、向こうの一護を見遣った。


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