Chapter17 〜決戦〜





その頃。

転界結柱の範囲外に逃れていた仮面の軍勢は、支度を終えて空を睨んでいた。
そこは正しく藍染が現れた黒腔。


そこへ。


「久しぶり。元気にしてた?」


ひょっこり現れた玲に、ひよ里が噛み付く。


「久しぶりやあらへんわ!こんなけったいなもんだけ置いてその後完全放置かい!ふざけとんちゃうぞハゲ!」


「あら、元気そうで何よりかな。修行、終わった?」


「あぁ、終わったわ!誰かさんが変に時間いじっとったせいで時間持て余して暇でしゃあなかったわ!どないしてくれんねんハゲ!」


何時もの調子で突っかかってくるひよ里に玲は少し笑って、適当にあしらう。


「はいはい、ごめんね〜。あ、そろそろ本題ね。空座町、このまま行っても結界張られてて入れないから、ささっと来れるように道作ってあげようかと」


「なんや、助かるわ。ハッチがえらい結界張られとるんは感知しとったんやけどな。入る方法まではわからんかったんや」


素直に礼を言う平子に、何だか丸くなったなと思いつつ、玲は空間を歪めて結界内に直通の道を創り出して固定する。


「じゃ、少しして準備出来たら来てね。因みにすぐ来るとすごくややこしくなること請け合いね。十分ぐらいずらした方が良いかも。じゃ、また後で」


軽く手を振って空間転移で消える玲を見送り、平子はため息を吐いた。


「凄いややこしなるって分かってて来い言うんか?どの道ややこしなるんは分かっとるけどな…」


呟いて、平子はその場に横になる。


「オイコラ真子!何しよんねん?!」


「あ〜…十分経ったら起こしてくれや」


微妙に意気込みが削がれた平子は、少し寝ることにしたのだった。



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