Chapter17 〜決戦〜





瞬間、一護が走り出す。

それを、その場に現れた玲が止める。


「はい、一護ストップ。大丈夫だから傷治そうね」


「玲さん?!大丈夫ってなんだよ、てかあんたいつから此処に…」


「ん〜最初から、かな。今空座町には此処にいる白哉と冬獅郎以外の全隊長格が集結してる。傷治してからでも遅くないよ。因みに」


「よう死神。元気そうじゃねぇか」


凶悪な笑みを浮かべながら現れたグリムジョーが、肩に担いでいた織姫を一護に投げる。


「グリムジョー!って井上?!どういう事だよ、玲さん!」


「どうもこうも無い。この破面は我等の味方…それだけの事」


次いで現れた白哉が、さらりと告げる。


「兄様、許容するのが早過ぎではありませんか?私はこの様な…「ルキア。玲が信頼している」…その、様ですね」


瞬歩も響転も使えない茶渡を担いだウルキオラが現れ、追って冬獅郎と石田、恋次がその場に現れる。


「全員無事…ってか無傷かよ?!」


「玲が治したに決まってんだろ。ほら、てめぇもさっさと治せ。行くぞ」


冬獅郎の言葉で、織姫が一護に双天帰盾を掛ける。

みるみる治ってゆく傷に、感心しながら、一護は冬獅郎を見上げた。


「行くってどこに」


既に黒腔を開いたウルキオラが無表情に問う。


「空座町…では無いのか?死神」


「え、開けてくれるのか」


「言っただろう。俺達はその女の味方だと」


「そういうこった、さっさとしろそっちの女。俺は早く暴れたくてうずうずしてんだ」


苛立った様にグリムジョーが口を開く。

そこに、玲がにっこり笑ってぽふぽふと彼の頭を乱した。


「グリムジョー。もう少し我慢してね。ウルキオラ。彼等を空座町へ案内してくれる?私はちょっと野暮用があるから、後から行くね」


「ちょ、待て!こいつらはまだ良いが、向こうには死神が居るんだろうが。斬りかかられたら応戦して良いってのか?」


「大丈夫。向こうの死神の一番偉い人に、話通してあるからね。それに、そんなに時間掛からないから」


ふわりと笑みを残して空間転移で消える玲。

それを見送って、ウルキオラが不機嫌そうに告げる。


「女。まだなら置いていくが」


「あ、もう終わります!あと少しだけ…」


手綱を握るものが居ない破面は、少し厄介そうだと、冬獅郎は少し離れた場所で溜息を吐いた。



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