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日陰もあってかそこそこに涼しいその場所から動かずに、プールに入っている茅野っちの投げたボールをトスして二人で遊んでいれば、突如響き渡るピピピっという笛の音。
「原さんに中村さん!!潜水遊びはほどほどに!!長く潜ると溺れたかと心配します!!岡島くんのカメラも没収!!狭間さんも本ばかり読んでないで泳ぎなさい!!菅谷くん!!ボディーアートは普通のプールなら入場禁止ですよ!!」
小うるさい先生の声に、みんなうわーといった顔で見やる。
私はそれに対して小さい声で狭間さんに言った。
「いるよねーあぁいう人」
「本当ね」
狭間さんは本から顔をあげずに返事をする。私はもう一度、椅子に深く座りなおしてみんなの姿をぼーっと見た。
すると、ひなのが先生の方に近寄って、
「硬いこと言わないでよ殺せんせー!!水かけちゃえっ!!」
となんとも可愛らしい姿で水をかけた。
すると、殺せんせーも負けず劣らずな声でキャンっと声を発して。
一瞬シーンとなる場に、カルマくんが近寄る。
そして先生の座っている高台の足元を大きく揺らすと、先生はどうにか落ちないように必死にその椅子にしがみついた。
なるほど。先生は水が苦手。
この事実にクラス全員が気づいた。
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