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なんか、腕が…動かけへん…
「…、え?」
ここ、どこ…?
「っ!」
少し動いただけで全身に痛みが走った
「っ!?」
な、腕が、縛られて…っ!?
つか、なんで上半身何も着てないんや!?
「…だから飯は一人で食えよ」
「っ!?」
俺じゃない声に気づいてそっちに向けばソファーに座って誰かと話してる…雨宮広斗がいた
「いつもみたいに女捕まればいーじゃん…え?ヤンキーだった?知らねぇよ、つか俺これから遊ぶし…」
遊ぶ…、間違いなく…俺のことや…っ逃げなきゃ…っ!痛みを堪えて力の限り暴れた。でも頭の上で縛られてるから思ったように力が出せない
「ん?…あ、いやなんでもねぇよ。遊び相手が起きただけ」
ゾクッ…
俺に気づいた雨宮の顔は歪んで笑ってた
「じゃーな兄貴」
電話を切った相手は兄貴の方やったんかっ、てかそんなんはどうでもいい…っ近づいた雨宮はベッドに腰掛け俺に顔を向けた
「元気そうじゃん」
「っざけんな!外せ!」
「大人しくしてくれたらね」
なれるわけないやろ!
キッ!と睨んだら効いてないみたいで笑ってベッドの上にあった水を飲んだ
「…俺さ、さっきまでイライラしてたんだよね」
はぁ?なんやねんいきなり…っ
「どうでもいい喧嘩買ってさ…まぁぶっ飛ばしたけど憂さ晴らししたくてさっきの奴らもぶっ飛ばしたんだ。お前もそうしようかなって思ったけど…顔が好みだったんだよね」
「、は、はぁ?」
意味がわからない…好みって、なにが?
「…兄貴はさ、女の子大好きでナンパとかしてセックスしてるんだけど…
俺は歯向かってきそうな男を喰う方が趣味なんだよね」
なに、言って…っ
喰うって、は…?
「っ…」
「って言っても顔が良くなきゃ勃たないんだけど…お前ドンピシャだったわ」
ソッチだったんだ…
頭の中で先ほどいた場所で言っていた言葉を思い出した。まさか、ソッチって…っ
「ま、さか…っ!?俺は男や!それにノーマルや!ゲイちゃう!!」
「へー…コブラって名前言ってた時の顔はそういうソッチの顔してたけど?」
「っ!?」
「ご主人様が大好きな犬なんだろ、お前」
「っ!!テメェッ!ぶっ殺したる!!グハッ!」
頬を殴られた。その拍子に口の中を切って、血が顎を伝った…雨宮の顔は笑ったまま
「お前この状況分かってる?反抗出来る立場じゃねぇの」
「っあ…くっ!」
この紐が解けたらどうにかしてぶっ殺して逃げれるのに…っ!
「それにさ、ココ、何処だかわかる?」
ココ…っ?
そういえば…ここは、どこや…?
一見普通の部屋にも見えるが簡素だ。人が住んでるようには思えない。それに、灯りが…怪しい…
、まさか…
「ラブホ。しかもお金払うまで出られないロック式の部屋」
「なっ」
だからこんな変な灯り…っ
金払うまで出られへん…て
「紐、解いてやってもいいけど、逃げられねぇよ、だから…楽しめよ」
終わった…っ
途端に恐怖が押し寄せる。コイツに犯されるというその恐怖だけが頭の警報が教えてくれるが、逃げられない
「大人しくなんなよ、もっと暴れていいんだけど」
その方が燃える
そう怪しく言った雨宮はベッドから降りて歩いた。向かった先は…知ってる、自販機や
「なぁ、使いたいもんとかある?」
アダルトグッズの、自販機…
「ん、なもん!あるわけないやろ!」
「ふーん、無い方が好きなんだ」
「そう意味ちゃう!!」
「じゃあバイブは買うとして…媚薬欲しい?」
「び、びや、く…っ!?」
「使ったことない?すげー良くなるみたいだけどさ、どうせレイプみたいなもんだし、痛いより気もちぃ方がいいだろ?」
お前が言うなって言うよりも先に別の言葉が出た
「ふ、ふざ、け…んな…、や、やったら痛い方がええっ!」
こんな奴に気持ち良くされたくない…っ!
だったら痛い方がいい…
乱暴にもなんでもすればえぇっ!
「…へぇ、痛い方がいいんだ?ドMなの?」
「、誰がや!!」
「ふーん…じゃあ…買おう」
「!?な、」
「痛いの嫌なんだろ?」
また歪んだあの笑顔…
俺の気持ちを露知らず、サイフから金を出して何かを何個か買ってた。買ったものをベッドの上にバサバサっと雑に広げる
言ってたバイブ、媚薬が入ってるやつ…
それにローターとかローションとか…
青ざめるくらいのアダルトグッズに恐怖しかない
「…さて、と」
「!?お、おい!」
ガチャガチャとベルトを外してきた。暴れようと足を動かすけど気にした様子もなく、慣れた手つきでズボンを剥がした。パンツごと持ってかれ外気に触れた下半身は無意識に足を閉じようとしたけどそうはさせなかった
「…まだ勃ってないな」
「っ!お、お前なんかに勃つか!!」
「安心しろよ、勃つから」
「っひっ!?」
ちょ、えっ!?おま、どこ触ってんねん!!?
ケツの穴を指でなぞるように触ってくる。あり得ない、そこは人が触れるような場所じゃない。人が触れていい場所じゃない
「ヒクヒクしてる…ここの色薄いし…処女なんだ」
「、は…っ?しょ、っえ?」
「調教しがいあるな」
そう言うや否やローションをダラリとかけてきた。ヒンヤリとした冷たさが股間全体に伝わって変な声が出た
「んっ!!」
「さて、と…1個はここに入れるな」
な、にを…
ツプッ
「ん!?」
な、何か入った!?
「小せぇからすんなり入ったな媚薬」
「っ!?なっ!?」
「勝手に出ねぇように蓋もしねぇと」
ズブッ
「んあっ!?」
さっきよりも硬くて大きい物が入ってきた
「…何入ったか分かる?…ローターだ」
「っな!?は、外せ!」
「まだ外さねぇよ…」
そう言って雨宮は水を口に入れてから顔を俺に近づけて…キスしてきた
「んぅっ!?んっ!」
口が薄く開いてたのをいい事に水が口の中に広がっていった。途中何かの固形物が口に当たったのが分かって多分媚薬だと察した俺は絶対に飲むものかとしていたら鼻をつままれた
「ん!、んー!!んー!!」
呼吸ができない…息が…っ
「ん、ん!ん…っ!んぅ…っ!、」
すると俺じゃない雨宮の舌の感触があって思わず
ゴクリ…
「っ!?」
「…っ、はぁー、やっと飲んだな」
う、そや…飲んでしまった…っ
「遅延性って書いてあったから効果出るまで時間かかるみたいだから…これで遊んでてよ」
ピッ
「!?んぁっ!!」
ローターのリモコンを押されケツにブルブルと振動がやってきた。なんやこの感覚、気持ち悪い…っ!
「ん、んっぐ!っ、う!」
「俺シャワー浴びてくるから」
「っは、!?ちょ、っん!ま、!これ!止めろっ!」
俺の言葉は無視して浴室がある扉の方に入って行った。嘘だ、アイツが出てくるまでこのまま…っ?
「っう、あっ…んぐっ!く、そっ!」
助けて、コブラ…っ
、!そや、携帯は…っ?
意識を反らすためにも自分の携帯を目で探した
「!あっ、!?」
あったには、あった…だけどバキバキに画面が壊された跡だった。...みんなに助けを求める術が無くなったんや…
もう、絶望しかない
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