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AM1:00雨






「ん、あっ…ああ」

「、はぁ…く…っ」



もう何回したか分からん…時計の付いてないこの部屋にいるから時間の感覚さえなくて、コイツも媚薬飲んだんちゃうかってくらい止まらなくて…風呂場に行ってもさせられるし…でも、買ったローターは最初の一回、バイブには一切触れなかった


今は、騎乗位で射れられて…


「あ、も、あっ、あー…っんん」

「っ、く…」


イッてしまったが精液は出ずにビクビクと震え体がしなる。雨宮もイッたみたいで俺の腰を掴んでた手を震わせていた…


「あ…はぁっ、はぁっ、…」

「…っ、あー…気持ち良かった…」

「っ、あ…も…」

「…こい」


まだされるんかって思ったけど、体をゆっくり傾けると腰を持ち上げられ引き抜かれた。あ、よかった、終わった…心の中でホッとしてると後頭部に手が回って緩い力で横に倒される…


「、え」


そのまま俺の首の下に雨宮の腕が入って…
え、?なんで…腕枕されてるんや…?


「なん、んっ」


何でって聞く前にキスされた。荒々しさはなく、優しくされるから変に、戸惑う。俺、コイツにレイプされたのに…レイプした男になんでそんなキス…


「…は、ん…」

「…っ、はぁ…っ」


唇が離れて…雨宮が俺を見ているのが何となく分かって…視線を合わせたくなくて下を向いた。そしたら雨宮が…強く抱きしめてきた


「…お前さ、名前なんだっけ?」

「…は?」

「名前」

「…壇、一八」

「ふーん…」


なんで聞いてきたんだ…わけが分からない。ってか俺何普通に腕枕されてんねん。離れなきゃ、そう思っていたら雨宮は俺の頭にキスをし、強く抱きしめ…


「お前さ、俺もんになれば?」

「…………は?」


理解しがたいその一言に目を丸くさせた
数秒の空白…パニックを起こしてたけど
俺の答えは決まっている


「嫌だ」

「…」

「お前ら兄弟のことは知っとる…。山王以外は敵や…、敵と仲ようするつもりはない」

「体の相性はバッチリだったけどな」

「っ!う、うるさっんん!」


言葉を遮るように唇が塞がれる。今度は雨宮の舌が口内を荒らして…言いたくないが、気持ち良くて…力が抜ける


「…っ、はは、そんな顔するくせに」


どんな顔してるか…知りたくない


「…まぁいいや。今回は諦めてやるよ」

「っ、今回は…?」


なんだよ、その言い方…、まるで…


「また見つけたら抱くから」

「!?」


顔を引き寄せ、獣がまるで獲物を狙うような鋭い目で俺を見てくる。体がぞくっと震えた…


「今回は帰してやる…あ、さっき金払わねぇと出れないロック式の部屋って言ったけど、違ぇから簡単出れるぜ」

「え?は、はっ!?お、おま…っ!騙したんか!?」

「そう言ったら出ないだろ?」


こ、コイツ!!殴りたいと思ったけど、それより出られる…。ならここにいる必要はない。脳裏にコブラの顔が浮かび上がって起き上がろうとすると勢いよく引き戻された


「なっ!お前っ!」

「まだいーだろ。夜中だし」

「、よくない!連絡出来んかったから仲間が心配してるかもしれんやろ!」

「あー携帯壊したしな」

「やからっ、帰る!」


今度は腕を振り払って起き上がり立とうとしたらズキッ!と腰に痛みが走った。フラフラと腰を下ろしたら今度は身体中がズキズキと痛む。多分昨日のケンカ、雨宮のパンチとかでやられた傷が今になって痛み出したんだ


「っ!い、った…っ!」

「いまさら痛がってんの?…あぁ、セックスでアドレナリン出ちゃったから痛みなんて分かんなかったか」

「く…っ!い、てぇ…、けど…帰る…っ」


すごく痛いがここにいるよりかはマシだ。体をゆっくり動かしてようやくベッドに腰掛ける姿勢にもっていったら雨宮も起き上がって…俺の後ろに座って抱きしめてきた


「、離れろ…っ」

「…ご主人のところに帰るのか?」

「、あぁそうや…っ、もうええやろ、っ帰る…っ」

「…じゃあ」


マーキングだけはしとかねぇと


「は?っ!いっ、!?」


何か呟いたけど何て言ったか分からなくて、でもすぐに分かった。俺の首に噛み付いて…強く吸われたからだ


「…っ、やめ、ろ!!」

「…ふはっ、くっきりついたな」

「な…っ!く、くそ…っ」

「...他にも付けてやるよ」

「や、やめ...っん」


胸、腹...太もも...
くそ...、こんなに...っ


散りばめられた赤い痕に悔しい気持ちがこみ上げてくる。寧ろ抵抗出来なかった自分にや...


「…やっぱ帰んのやめろよ…一八」

「!!」


突然甘く低い声で名前を呼ばれドキッとした。なんやこれ…なんで俺こんな奴に…


「…あ、あまみ、や…」

「…名前で呼べよ」

「…い、や…だ」


何故名前にこだわるかは分からないけど
もう呼ぶ理由なんて無い…はずだろ?


「…」

「…!んっ」


スッと目を細くした雨宮に強引に向かされそのまま奪われる唇。右手で俺の顎を抑え…そして左手は…胸に…っ


「んっ!ふ、あっ、や、やめ、ろ!あ、あま、み…っ」


抵抗しても手は動き回って秘部に到達してまた触り始めた。もう出ないし勃たないのにじんわりとまた気持ち良さが戻ってくる…


「や、やらっ、あま、んんっ、や…っ」

「…名前…一八…」

「な、なま、え…っん、あっ…」


名前呼ばなかったからこんなこと…?
コイツ…マジで意味わかんね、ぇ…っ


「ひ、広斗!」

「…」

「広斗…、やめろ…っ」

「…やべぇな…」


また、ヤバイ…って、何が…


「…帰したくなくなっちまう」


…え?


もうコイツが分からない
後ろから包むように抱き込むコイツの思考が

それと、俺の心が…ざわついてる


「…ひろ、と…?お前…」

「…あ?」

「…、いや…っ」


今、俺…抱き込むコイツの手に触れようとしてた

何を、考えてるんや俺…俺は…


瞬間浮かんだのは

俺を見つめる…コブラの姿だ


「!…か、かえ、る…っ」

「…そーかよ」


雨宮はそう言って…ゆっくり離れた。俺は雨宮を目線で追おうとしたけど、やめた。見たら、いけない気がしたからだ。立ち上がってフラフラとしながらも服を拾い…着込んでいく。チラッと見えた鏡に俺が映った。ボサボサの髪、所々にある痣、見るに耐えない傷の量…あのチンピラが付けたものなのか雨宮が付けたものなのか分からない…

視線を落とし最後上着に手をかけた辺りで雨宮が立ち上がった


「っ、え」

「…近くまで送ってやる」


え?な、んで…。そう聞く前に俺よりも早いスピードで服に着替える雨宮に、混乱する俺…


「…ほら行くぞ」

「っ、!?え、おい!1人で帰るからっ!」

「…ここから山王街までバイクで30分、しかも土砂降りだ…」

「っ!」


そ、そんな遠いのか…っ?


「辿り着く前に倒れんじゃね?」

「…っ」

「…」


雨宮はそう言って立ち尽くす俺を無視してお金をテーブルに置いた。上着を片手に…俺を見てからテーブルに置いてあった俺の私物の持って渡してきた


「っ」

「…乗れ」

「…」

「…来い」

「っ」


最後までコイツに振り回されてる
クソ…泣きそうになる…っ
我慢しろ…コイツの前で…泣きたくない


無言で頷き雨宮の後ろを歩く。ラブホから出た俺らは雨宮のバイクのもとに行きヘルメットを被せられた。乗り込む雨宮の後ろに座ると…エンジンの音がして…道路へと走った





AM1:37天候雨






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