「ハオ様」
「何だい?」
「暑苦しいし邪魔なんですけど...」
「僕はそんなことないよ」
「私はそんなことあるんです!離れるかせめてそのマント取ってください!さっきから風でバッサバッサ靡いて料理の邪魔なんです!!」
「ふーん。マント取っていいの?僕この下裸だけど」
「邪魔にならなければなんでもいいです」

そう言うと、ハオ様は若干だが不貞腐れたように顔を顰めた。
なんだ。何に気を悪くしたんだ。でもそんなこと気にしていたらキリがない。ハオ様は基本、気に入らないことがあるとすぐにヘソを曲げる。それはもう赤子のように。

「これでいいんだろう?」
「うわっ、本当に脱いだんですか」
「君が脱げって言ったんじゃないか」
「いや、本当に脱ぐとは思いませんでした。それにしてもご立派な腹筋ですね」
「そうかい?」

褒めるとすぐに笑顔に戻る。なんて単純なお人なんだろうか、まあそんなところがハオ様のいいところなのだけれど。



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