「死は悲劇だという者がいる。それについて、君はどう思う?チェ・グソン」

始まった、とグソンは一瞬だけ動きを止めた。だらしなくソファに寝転がりながら、如何にも思いつきの問いかけを投げかけてきた槙島聖護。彼は仰向けになりながら本を読んでいるが、こういう時は必ず目の前のことに集中できずに内心苛ついている証拠。


「そうですねえ...死については何度も考えたことはありますが。この世界で唯一、未来で起こる確実なことですから悲劇だとは思いませんかね」
「へえ...意外だな」





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