チェ・グソンが自らの眼球を切り裂き、槙島聖護の手を取ってから1週間が経とうとしていた。
損傷が激しかった眼球は摘出され、今はポッカリと穴が空いている状態だ。自分が今どんな様子なのかを確認することは勿論できないが、槙島から「気味が悪いな」と、一切の気遣いもなく言い放たれれば



「やあ、チェ・グソン。調子はどうかな?」
「...今日は鎮痛剤が効きすぎてるみたいでね、あまり良いとは言えないです」
「そう、まあ一時間もすれば楽になるさ。それより、泉宮寺さんから許可を貰ったよ」
「なんのですか?」
「今日から普通に生活してもいいって。」
「はあ...。でも槙島の旦那、俺行くアテすらないんですが...」
「何を言ってるんだい?僕の家に行くに決まってるだろう。目の見えない君に一人で暮らせなんて、そんな酷なことは言わないさ」

その言葉を聞いて、グソンは何故か鼻の奥にツンとしたものを感じた。理由は分からないが、単純に嬉しかったのかもしれない。


「あの、でも迷惑なんじゃ...」
「んん?むしろ君との生活が楽しみで仕方がないよ」
「え...」
「はは、今の君はまるで迷子の子供みたいだな」








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