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一方その頃 北の森では







「そういえば、棗と一緒におった銀髪の男の子って誰なん??」







棗に課された試験を遂行中の蜜柑たち。北の森の真ん中で休憩がてら焚き火を囲み談話していた。






「彼の名前は三条凪くん。アリスは人体発火と妖変化で、どちらも過去に例がないレア中のレアなアリスの持ち主だよ!」




案内役としてこの試験に巻き込まれた委員長が丁寧な説明をする。





「ほ〜凄いアリスの子なんやな!」



「彼に関しては、僕もそれくらいしか知らないっていうか‥‥」

「日向棗と常に一緒って訳でもなく。一匹狼ってとこね。」





木の実を頬張りながら言う蛍。





「ほへ〜‥‥。謎だらけやんな〜。あの子、女の子みたいに綺麗な顔やったわ〜。友達になれるとええなぁ!」

「そんな呑気なこと言ってないで、早く自分のアリスを探しなさいよ。」





蛍の手厳しい一言でテンションが再び下がる蜜柑だった。






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「僕、授業あるから戻るね」




大好きな和菓子を食べ終わって、棗たちのお土産分も袋に包んでソファを立つ。





「またいつでもおいで。」





父様は優しく微笑み僕を抱きしめた。



こうして、父様に抱きしめられるのはとても好き。
でも、抱きしめている時の父様はとても辛そうな顔をする。きっと僕が体質系から危険能力系に異動したあの一件を今でも後悔してるんだと思う。

僕がどんなに大丈夫だよって言っても悲しそうに笑っていた。








「え‥‥?北の森?」





教室に戻り、あたりを見回したが棗の姿がなかった。もちろん流架も。近くにいた持ち上げくんに棗の居場所を問えば、転入生の試験のために北の森に行かせてみれば流架を人質にとられたらしく怒って出ていったらしい。






「僕もいってくる。」





流架を人質に取られてきっと棗は頭に血が上っている。無茶をしてアリスを使ったりしてないといいけど‥‥。






「これ、食べて。」





持ち上げくんや心読みくんにお土産の和菓子を渡した。ありがと〜と間延びした心読みくんの声を背中に北の森に向かった。





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