21
目を覚ましたのは、お仕置きから二日後だったらしい。あの日は特に酷く暴力を振るわれた気がする。
校長が去り際に言われた一言が頭に残る。
『君は私のおもちゃだ。誰にも渡さないよ。天音にも、高等部校長にも、もちろん棗にも。三条の呪いは、解けないんだよ。』
三条の呪い
そんなの僕は知らない。
その呪いが解けないって‥‥校長は何か知ってるの?なら父様や、爺様も知ってるの?僕だけが知らない“三条”の呪いの秘密って‥‥。
とぼとぼ歩きながら久しぶりの教室を目指す。
棗、大丈夫かな‥‥?
あんなの見られたあとだからなんだか会うのが気まずい。
ガチャ
「‥‥」
教室に入れば、ボールを持った転入生の佐倉蜜柑とクラスのみんなが睨み合っていた。
−−−−−−−−−−−−−
「要するに」
「ストレス発散のためにドッヂボールをすることになったらしいよ☆★」
運動場に移動してみれば佐倉蜜柑VS棗率いるその他のクラスメイトと、変なチーム分けになっていた。普通こういうのって、人数は平等じゃないのかな?
「好きなチームに入っていいらしいよ〜」
「凪はどっちに入るんだ?」
持ち上げくんと心読みくんは棗がいるチームの陣営に入り僕に聞いてきた。
「僕、こっちのチーム」
「「「「「「?!?!」」」」」」
僕が選んだのは、佐倉蜜柑のチーム。
「えー!うそー!うちのチーム入ってくれるん?!」
「うん。数は平等の方がいいと思う」
「凪‥‥」
棗の視線がなんだかチクチク刺さる。前回のお仕置きの件もあって何か言いたそうな顔をしてた。
「たまにはこういうのもいいでしょ?」
いたずらっぽく、小さく微笑めみ人差し指を口に当て内緒話でもしているような仕草をする。それを見た彼は一瞬目を見開きすぐに舌打ちをして顔を逸らされた。
あれれ?火に油?
「(完全に猛獣(棗さん)を飼い慣らした飼い主だ‥‥)」
「(アレで女なら惚れる所だった‥‥)」
「(でも三条が相手チームにいるってことは‥‥)」
「あれ?流架もこっち‥‥?」
いつも一緒にいるウサギを追ってこちら側の陣営に入ってしまった流架。
ガシッ
ガシッ!
ガシッ!!
チーム全員の拘束により
「蜜柑チーム総勢9人でーす!」
流架も同じチームになりました。
「「「(((これは分からなくなったぞっ!!)))」」」
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