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チームに分かれて外野決めをし、やっとゲームを始めることになった。
そんな中、佐倉蜜柑はにへへーと笑いながら僕と流架を見ていた。
「ルカぴょんって何だかんだ優しいなーって!ルカぴょんがしぶしぶ残ってくれたのもウチや三条くん、クラスの子のこと心配やったんやろ?」
「なっ、別に俺は‥‥!」
「流架は優しいから。」
「凪までっ」
棗から聞いた流架は元々柔らかい表情の持ち主だった。でも、僕や棗のために笑うことを辞めてしまった。
「みんなで頑張ろうね。」
僕は2人の心の底から笑った顔をまだ見れてない。やり方はどうであれ、こういう些細なきっかけでも2人の笑顔を取り戻せるなら頑張りたい。
「頑張ろな!三条く、ってうわっ!」
「いつまで凪と喋ってんだよ。チンタラしてんじゃねーよ」
「棗、やりすぎだよ‥‥」
「ふんっ」
意気込んでいたら佐倉さんの頭が棗の手によってもげていた。
なんだか機嫌の悪い棗をよそにドッヂボールスタートです。
「えいっ!!」
バコ バコ!
「おおー」
佐倉さんって運動神経いいんだ。見た目通りの活発さが運動神経にも現れていた。
そんなことをぼんやりと考えている僕はというと、
−−−−−−−−
遡ること五分前。
『いっけー!棗サーン!』
ジャンプボールは相手チーム側にボールが渡り、第一投を棗が勢いよく投げてきた。
そのボールをみんなが綺麗に避けていく。
え?ドッヂボールってそういうゲーム?
実は僕、ドッヂボールのルールを知らない。
『いっ‥‥』
ボスッ
避けることなく僕の右肩に当たったボールはコロコロと転がっていく。
『棗、痛いよ‥‥』
『も、もしかして三条くん‥‥』
『ルール知らんの‥‥??』
『と、とりあえずドッヂボールっていうのは‥‥』
かくかく、しかじか‥‥
委員長の丁寧な説明によりドッヂボールのルールを理解出来た。けど、当てられたのは事実だから外野へと移動した。
−−−−−−−−−
なんだかちょっとカッコ悪くて恥ずかしいな‥‥。もっといろんな遊びの事勉強しとかないとダメかな‥‥。
「きゃっ」
「なんか今のボールすごい変だったー」
「?」
「何かに足掴まれたー!」
「???」
クラスの女の子たちが不自然なボールに当たったり足首を掴まれたり‥‥。これ、アリス使ってる。
外野から適当な生徒にボールを当てて、自分のチームのコート内に復帰する。
「怪しいわね‥‥」
「‥‥(たまご?)」
「誰だよお前‥‥。怪しいのはお前だろ」
「あいつら影でアリス使ってるわ。なんとかして止めさせないと」
今井さんの言葉に頷く。
アリスを使わないルールのもとにやっている以上、そのルールを破るのはよくない。
「やーい!いちごパンツ!」
どうやって辞めさそうか考えていた時、相手チームの男子たちが騒ぎ出した。
パンツ‥‥。
男の子ってやっぱりそう言った類の話、好きなんだなー。
男の子は、好きな女の子ほど虐めたいものって爺様から聞いたことがある。みんな佐倉さんのことが好きなんだ。可愛いからなー。
「パンツ見たぐらいで騒いでんじゃねーよ」
その棗の一言が佐倉さんの怒りのボルテージが貯まっていく。
「そいつパンツの中まで見られてんだぞ」
余計な一言が彼女を怒らせてしまったらしい。
「うらぁぁぁぁあーーー!!!」
顔を真っ赤にさせながら棗めがけて豪速球を放つ佐倉さん。
そのボールを棗から守るために飛び出してきた念力使いの男の子によって起動が真反対に変わり
ばこん‥‥
「いっ‥‥」
カランカランカラン‥‥
僕の顔面にあたった。
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