03






「君が三条凪くんかな〜???」




目の前に居る人は頭金色‥‥の人。
爺様も門徒のみんなも坊主だった。みんなと髪の毛の色が違って銀色だった僕と一緒で、みんなと髪の毛の色の違う人は初めて見た。




「‥‥、」



黙って小さく頷く。



「僕は今日から君の担任になる、鳴海だよ〜」

「‥‥」




何も喋らない僕に、鳴海先生は微妙な顔をしていた。



「鳴海先生、すまない。この子はあまり人と喋るのが得意ではないんだ」



僕の手を引く行平さんが鳴海先生にそう言った。



「いえいえ〜!僕は大丈夫ですよ〜!」

「ありがとう。凪、あまり構ってやれないが1人で頑張れるかい?」

「‥‥うん」



行平さんは忙しい人だ。
僕が寺にいた時も、忙しくて何ヶ月も遊びに来てくれないこともあった。法律上、家族になったとしてもどこか遠慮してしまう。



「それじゃあ、教室に行こうか!」



今度は、鳴海先生に手を引かれ行平さんと離れた。





B組 教室前




「はいはいはーい!みんな静かに〜」


教室の中は、ぐちゃぐちゃだった。



「(みんな、アリスなんだ‥‥)」



空に浮く子。

手が異様に伸びてる子。

描いた絵が浮いてる‥‥。


人生で初めての教室の中は僕の想像してたものより、遥か斜め上をいっていた。




「彼は三条凪くんで〜す!分からないことだらけだと思うんで早速パートナー決めちゃいま〜す!」



「すごい髪の毛の色ー!」
「ねえねえ!なんのアリスなのー?!」
「星階級は??」


先生の言葉を遮ってたくさんの子供たちが僕に話しかける。


「静かに〜!」


先生が宥めてやっと静かになった。
自分で、喋らなきゃ‥‥。



「三条凪。アリスは、‥‥妖変化と、人体発火です‥‥よろしく‥‥」



喋れた‥‥。
いつもなら、僕が最後まで喋る前にみんなどこかへ行ってしまう。



「妖変化って珍しいね!」
「かっこよさそう!!」
「アリス見せてよー!!」



そんな心配いらなかったみたい。


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