04



あのあと、心読みくんと少し喋った。


「凪くんってお寺の子なんだね〜」

「え‥‥」



僕、なんも喋ってない‥‥。
もしかしてこの子のアリスって、心読んだりするのかな‥‥。


「そうだよー!」

「そう、なんだ‥‥」


そこから心読みくんと喋って授業にうつった。
学校に行ってない間は行平さんと爺様にお勉強を教わっていたからなんとか授業についていけた。






学園にきて、三ヶ月がたった。


うまく喋れない僕でも、少ないけど友達はできた。大切なのは数じゃない。って行平さんが言っていた。


あと、僕にも星階級がついた。鳴海先生から貰った二つの星のバッチはいつも襟元につけるようにした。



「皆さ〜ん、今日は能力別の授業ですよ〜」


「凪くんは体質系だよね?」

「うん‥‥心読みくんと持ち上げくんは?」

「僕は潜在系!また後でね〜」

「また後でな」

「うん、あとでね」


体質系の僕は心読みくんや持ち上げくんと別れてセリーヌ先生と教室を後にした。
セリーヌ先生って綺麗だなーって思う。僕のお母さんもあんな人だったのかな‥‥。

ぼーっとセリーヌ先生の背中を眺めていたら鳴海先生に声をかけれ、手を繋いで体質系の部屋に向かった。




「凪くんは、アリスコントロールが上手だね!」



鳴海先生はよく僕を褒めてくれる。


初めて能力別に参加した時は、三つものアリス制御ピアスを渡してきた。どれも左耳に付けてる。つけてすぐの時は体が重くて、しんどかった。
あとは口面。真っ黒で狐の口の模様が書いてある口面のお陰で僕は獣耳や尻尾は出なくなった。

こんなにもたくさんの制御アイテムを付けているのは多分、僕だけだった。




能力別が終わって、唯一の友達二人と一緒に寮に帰るために待ち合わせ場所に向かっている時、その人に出会った。





「君が、三条凪くん‥‥かな??」




真っ黒の髪の毛。


お寺にいた時、爺様がくれた絵本に書いてあった舞踏会で付けるような仮面を付けた人が立っていた。



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