久しぶり


「久しぶり」
「久しぶり。お邪魔しまーす」


ちぇること#名前#と初めて会ってから数ヶ月が経ち、そのあとは何度か2人でご飯を食べに行ったり、こうやって互いの家に遊びに行く仲になった。

別に付き合ってるわけではないが、まさか異性とこういう関係になるとは思わなかった。今まで彼女がいなかったわけではないが、あまり良い思い出がなかったからいつからか彼女を作らなくなった。この容姿のせいで言い寄られることはしょっちゅうあるが、なんとかかわせている。見た目がいいことで得することはあるけど、ぶっちゃけめんどくさいことが多い。


「適当に座ってて…ってもう座ってるし」
「はは、俺と#名前#の仲でしょ」
「まあね。ご飯食べるでしょ?」
「うん、よろー」
「はーい」


まるで同棲してるみたいだ。こんなに異性といて楽なのは初めてではないだろうか。女なんてめんどくさい。そう思っていたのに。


イベント中のアプリを起動して読み込むのを待つ。ふと、#名前#に言うことがあったことを思い出した。


「そういえば、俺住み込みの劇団入ったからアパート売り払ったわ」
「え、何々、初耳なんだけど」
「そりゃあ初めて言ったからね」
「たるちが劇団?ゲーム一筋なたるちが?」
「うん。家賃タダだし、1日2食付きとか浮いた金で課金出来るし最高じゃん」
「目的はそこか」
「当たり前」
「でもさ、劇団ってことは練習とか公演するわけでしょ?ゲームやる時間減るんじゃない?」
「問題はそこなんだよね。まだ入ったばかりだからよくわかんないけど、結構本格的だったら迷惑かけるだろうから早めに辞めるつもり」
「そっか。まあ、頑張って。私はたるちが劇団に時間を費やしてる間、ブラウォーやっとくから」
「何それずるい」
「いやいや、やり始めたのたるちでしょ」


まあ、そうなんだけども。


「しばらくえりちイベないからブラウォーに専念できる」
「あ、そういえばイベ1位おめ」
「ありがとー。いや、今回も2位の人が強くてさー」


#名前#と会うのが久しぶりなのは、#名前#がえりちイベに専念してたからで、それが昨日終わって連絡があって今日会うことになった。


「音ゲーって集中力切れたらフルコン出来なくない?」

「それなー。」

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