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「ルキ、起きろ」
不意に聞こえた、銀狼の声...。
彼の傍で寝ていたルキが、目を擦りながら起きる...すると目を擦った手に冷たい感覚。
どうやら泣いていたようだ。
「...あれ......」
「あれじゃねえ、その手を放せ」
機嫌の悪い銀狼の声...彼の視線の先を見ると、さっきとは反対側の手で銀狼のしっぽをぎゅっと握り締めている自分の手。
「ごめん...」
指先が白くなるくらい、握り締めていたしっぽを申し訳なさそうに放したルキ。
やっと解放されたと銀狼がムクッと立ち上がると、ルキが不安そうに彼を見上げた。
「お願い..銀狼、ぎゅってして...?」
いつものように、うざいと表情で語る彼の瞳。
だが首に手を伸ばして抱き付いてくるルキに、とことん甘いのが銀狼である。
「フンッ...めんどくせえ」
彼の銀色の風が優しく吹いたかと思うと、ルキの目の前を覆った銀色。
何処か壊れそうなルキの肩を掴んで抱き締めた優しい手...人間の姿をした銀狼だ。
「ぅ..っ...銀狼っ......」
ルキは銀狼の腕の中で泣いた...。
銀狼のいつも鋭い赤い瞳は、ルキを見詰めている時はとても優しい。
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