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Heart Doll本店。ちょうど店の上空に亀裂が入り、1人の女性が現れた。
長く黒い髪をなびかせていて、どことなくルキを思わせるような大人の女性である。

「ただいま」

宙を静かに歩き、ベランダから中へと入った。彼女をおかえりと出迎えるのはたくさんの人形達、Heart Doll...すべて彼女が手掛けたお人形。彼女はこの店の主である。

「お帰りなさい。留守の間に彼が来たわ」

その中でも一際お姫様を思わせる1人のHear Dollが言った。
それに続いてもう1人のHeart Dollが少し嫌そうな顔をして言う。

「ルキというあの少女が自分の役目を代わったと...」

「そう。ごめんね、銀狼すごく機嫌悪かったでしょ」

「あなたが謝る事じゃない!」

そう言って彼女は自分のガラスケースへと戻ってしまった。他のHeart Doll達もいつの間にか自分の所定の位置へと戻っている。
ここはHeart Doll本店。特殊なお人形を売るお店なのだから、これが本来の姿である。

「リオネは本当に銀狼が嫌いだね」

そう言うと、1人ガラスケースに入らずにいるお姫様な彼女に目を向けるこの店の主。

「ゆな、もしもまた銀狼が“俺の役目をあの馬鹿が代わった”とか言ったら渡してほしい物がある」

店の主である彼女はそう言ってHeart Dollのゆなを奥の部屋について来るように手招きをした。
はいと返事をして微笑むと、ゆなは店の主についてこの部屋を出た。

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