なんだろうこの感覚は
すごく気分が悪く
体が重たい

『・・・・・・』

私の家が階段の先に見えた
何かあったのだろうか
数人の祓い人が門をくぐり中へ入って行った
父に用事だろうか

ゆっくりと茂みを出て
そちらへ向かう

1人、門の手前に立っているのは的場ではないだろうか
見慣れた姿に何があったのかと尋ねようと近寄った

「・・・・・・!」

その目は、何?

どうして、弓を構えるの?

『(ねぇ、的場・・・?)』

「・・・・・・・逃げないのか」

『!』

とんっと刺さった矢に、そのまま階段を落ちる

『ああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・・・・・・』

痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い・・・
なんで、どうして
どうして・・・・・・・

妬けるような痛みに
声が出る

・・・・どうして、そんな目で見るの?

『(まと・・・・・・・ば?)』

なんで、そんな
妖を見るような・・・・・・・

「仕留めそこなったか」

とんとんと階段を下りてくる的場が
また弓を構えた

「昨夜、この家を襲ったのはお前か?」

きりきりと弓が揺れる

「明翠を攫ったのは、お前か?」

私は、ここにいるのに
何を言ってるの
意味が分からない・・・・

『(あ゛あ゛あ゛)』

「聞いても無駄なようですね。消えてください」



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