4 矢を避けて、森の中を走った もう痛いのは嫌だ それだけが頭の中に広がっていた 普通に考えたらありえない ありえないのに これ以外に考えが1つも見つからなかった 池へと駆けた 身体の軽さ 完治していく傷も その目線の高さも 私が人の成りをしていないことを知らせてくる どうして、こうなってしまったのだろう あの時、闇に呑まれて どうして?どうして・・・・ 的場の目を思い出しては、体が震える 祓っていた妖は、こんな気持ちだっただろうか それとも、私が人の子だからこその感情なのだろうか ・・・・あぁ、もう人の子ではないのか なんて、簡単に思えたらいいのに あぁ、なんて醜い姿なんだ 最悪だ 祓い人の自分が 憎んでいた妖に取り込まれるなんて・・・ こんな醜態・・・・!! ←→ 目次 |