矢を避けて、森の中を走った
もう痛いのは嫌だ
それだけが頭の中に広がっていた

普通に考えたらありえない
ありえないのに
これ以外に考えが1つも見つからなかった

池へと駆けた
身体の軽さ
完治していく傷も
その目線の高さも
私が人の成りをしていないことを知らせてくる

どうして、こうなってしまったのだろう
あの時、闇に呑まれて
どうして?どうして・・・・

的場の目を思い出しては、体が震える
祓っていた妖は、こんな気持ちだっただろうか
それとも、私が人の子だからこその感情なのだろうか

・・・・あぁ、もう人の子ではないのか

なんて、簡単に思えたらいいのに

あぁ、なんて醜い姿なんだ


最悪だ
祓い人の自分が
憎んでいた妖に取り込まれるなんて・・・
こんな醜態・・・・!!



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