1
いつもと変わらない、どこも変わらない。…人を殺す、という点では変わらない。
なのに……なんでこんなにもこの男の言葉は一々癇に障るんだろう。
「ドン・ボンゴレ…呪われた血の子孫め。
お前なんかを愛する者などいないのだろうな!」
「…うるさい」
「はははっ!誰にも信じられず、誰も愛さない!なんて惨めなんだろうな!」
「…うるさい…っ」
「所詮お前はいつも一人!」
「うるさいッ!」
オレの激しい怒りに反応したかのようにグローブに大量の炎が灯る。
狂ったように笑う男を一気に焼き殺して辺りは静かになるけど、耳障りだった男の声は耳にこびりついて離れなかった。
“誰も愛さない”
“いつも一人”
…愛してくれる人間、なんて、いない。
うるさいうるさいうるさい!頭が、変になりそうだ。
オレは…オレはっ………
『沢田君、大丈夫?』
―――翠徠……っ
- 63 -
*前次#
back
ページ:
ALICE+