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そこからはなんだかテストやイベントで忙しくて
あいつとも会わない日々が続いた。



『あ〜〜真尋に会いたい〜っ』



「俺も先輩に会いたい〜〜」



『うっせぇ惚気んな』



「あっ、今日一緒に帰るんだよな」



『もうすぐ会えるじゃん、いいな〜っ

俺二週間は会ってない』



「最後に会ったのいつだ?」



『えーっと、そうそう!集会で見た!』



「二週間前?」



『そう!』



「それ会ったってゆーか見かけただけじゃん」



『…そう…………はぁ…会いたい…』



「最後にいつ告白した?」



『……えーーーっと、シゲが上手くいった1週間後ぐらい』



「俺付き合ってもうすぐ三ヶ月だけど」



『前まで毎日のようにしてたのにな』



「100回目を前に怖気付いたか」



『100回ふられるとだいぶしんどいよ』



「……頑張れ
……って言葉は言い過ぎたからな




もう、お前は頑張ったんだからな

諦めてもいいんだぞ」









……なんだよ、それ。


そんなの無理だし。






『おう、ありがと』


「…はぁ、俺の勘は外れたのかな〜……」


『え?なになに?』


「いや、なんもない
あ、今日真尋ちゃんと帰れば?」



『……えっ、』



「どーせ一緒に帰る人いねーだろ?

俺が言ってきてやるよ」



って運動音痴のくせに全力で彼女のクラスへ走って行った。



『……真尋に会うの………久々だ…』







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ーーーー





放課後、教室へ真尋を迎えに行く





前までは毎日来てたのにな〜

懐かしい気がする




「あ、久しぶり」




角でばったり彼女に遭遇。




『お、おう』



「なんで加藤くんパシッたの?」



『シゲが勝手に行った。変な走り方で(笑)』



「…あー…うん、ずっと思ってたんだけど……(笑)」



『なにが?(笑)』



「あんまり気にならなかったけど……

加藤くんって走り方ダサいよね」



『ぶはっ(笑)』











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「はっ、くしゅん!!」


[大丈夫?シゲくん]


「うん、なんだろ?誰かに噂されてんのかな?(笑)」


[風邪とかやめてね?]


「もし風邪なら
先輩お見舞い来てくださいね?」


[もう……////]


「…移してあげますから」


[……ばか]



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そこからはずっとたわいもない話をしてたけど
最寄り駅から家までの道を歩いている時





『なぁ、真尋』



「ん〜?」



『好き』



「なっ……」



『真尋は?』



「…………私はっ…祐也くんのこと…『やっぱいい!聞きたくねぇ!』




返事を聞く直前になんだか急に怖くなって
彼女の言葉を遮った



「はぁぁぁあ?なにそれ!!!」


『またお前加藤くんって言うんだろ?!



無理!もう無理!!
メンタルが無理!』



「……しーらない
手越くんのバカ」



『……手越くん?』



「手越くん」



『……真尋』



「てごしくん」



『真尋』



「なによ」



『真尋』



「……っ、…………祐也くん」



『よし、ありがと』



「……」





……あ、もう家の前…




「〜〜っバイバイ!!またね!!!」




バタン!
と家の中へ入ってしまった。


気のせいかな、顔が赤くなってる気がしたんだけど……





そうだ、さっきまで話してて思ったけど
なんか……あいつ、もうシゲを吹っ切れた感じがする。



……考えすぎ?






早く真尋が俺のこと好きになってくれないと

もう俺今で98回ふられたよ。




そろそろ本当にしんどい
……うん、頑張ろ








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