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…数日後…



『……ずっと前から真尋のことが好きでした。




付き合ってくれませんか?』




今日も今日とて
懲りずに俺は好きな人に告白中。



「………………


うーん……無理です…」




あれ?




『なに今の間?!
OKされるかと思っちゃったじゃん』



……あら、
またまたふられました。
はい、91回目。



「やっぱり私にはね…{emj_ip_0177}」


なんて頬に手を当ててにまにまと微笑む彼女。



『はーーーいはい』




あーあ、早く告白してフラれないかな、
なーんて考える俺は最低。

わかってる。



でもみんなだってそう思うっしょ?

真尋だってシゲに好きな人がいたら
フラれろって思うだろうし

人間は欲張りだし自己中だ。



自分がよければ相手のことなんか……

って。



まあみんながそうじゃないかもしんないけどさぁ。







『ねぇ。シゲに告白しないの?』



「えっ////」



なんてわかりやすく頬を染め照れる真尋




『俺は何回もお前に気持ち伝えてんだから
頑張ってみてもいいんじゃない?』



「そう、かな……ちょうど悩んでたんだ…

告白しよう、かなって…」





予想外な返事が来て
なんだか一人で焦ってる俺。



え、マジかよ。
どうしよう。



……



『俺はお前のこと応援してるよ。頑張れ。』



「へへ、ありがとう…」





俺はいつも、心にも思ってないことを口に出す。

ごめん、真尋。ちっとも応援なんてしてないよ。

応援なんてしてられるかよ、



上手くいくな。


なんて最低な願い事。












______
____




放課後


いつも通り
シゲと並んで歩く帰り道。



ふと、シゲに聞いてみた。



『ねぇ〜シゲは好きな人いんの?』





「えっ?あー、



……うん、いるよ」





『ふーん、そうなんだ…………





…えっ、誰?!』






うっそ

全然知らなかった……



……



まさか……真尋じゃないよな……?




「……ふは、なんて顔してんだよ。
大丈夫だよ、お前の好きな人とかじゃねえから」



なんて笑う。



『……えっ、俺顔に出てた?』



「焦ってんのバレバレだから」




目尻にシワを寄せる。




『真尋じゃないなら……誰?』




「えっ……と…」




なんて、シゲの頬が赤くなっている。
かと思えば




「小山、先輩……」




『…小山先輩………小山……えっ、もしかしてお兄ちゃんとか……いる?』




「あー……いる、と思う。確か教師?だったかな」





『え!小山先生って中学の時の理科の先生なんだけど!(笑)』




無駄にテンションが上がってしまって。(笑)



「え?!まじで?!
背が高めの目が細い感じ?」





『そーそー!!!懐かしい……
へぇ〜!小山先生の妹か!!!

なら俺見たことあるかも!
綺麗めな人だよね?』




「うん、綺麗な人

委員会が同じで……気さくに話しかけてくれて、それで。」



伏し目がちに好きな人の話をするシゲは、
とてもかっこよくって。




『へぇ、そーなんだ?いいねいいね〜{emj_ip_0177}



小山先生の妹かぁ……
シゲも恋するんだねぇ…』




「うっせ、お前もがんばれよ」




…俺が頑張ったって


真尋がシゲにフラれない限り俺に振り向いてくれる可能性はないんだし



『あいつが頑張ってくれればなー』



「あー、好きな人いるんだっけ?」



『そー、早く告白しねぇかな…』



「真尋ちゃんの好きな人って誰なの?」




じとーっとシゲを見つめる




「な、なんだよっ!」




なんて少し照れるから




『…………言うかばーか!』



……ムカつく。
こいつの悪口が見つかんない。




「なんだよそれ、ま、別にいいけどさ〜」




『……あ!シゲ!!!小山先生の妹!』





「うぇっ?!ど、どこ?!」





『……ぷっ、くくく……っ』





「て、手越お前!」




顔を真っ赤にさせて照れてるシゲ。
こんなシゲ初めて見た{emj_ip_0177}



可愛い……なんて。(笑)




『あー面白い{emj_ip_0177}』




「ほんっと、最低だわ〜」



俺を睨みながらそう笑う



『えへっ{emj_ip_0177}

好きな人にそんなに反応する〜?』





「うっせーわ!好きならびっくりすんだろ!」





『大袈裟だわシゲ〜』





「……あ、真尋ちゃんだ」




『やり返ししなくてもいいって、俺そんなんで反応なんかしないし〜』




「いやいや、まじで、後ろ見てみ」




『はぁ〜?』



後ろを振り向くと
本当に真尋がいて。



俺らの後ろを歩いてたみたい。






『えっ、まじでいんじゃん!!

びっくり!』




「……え?真尋ちゃん?どーしたの?」




『え?』






シゲのその言葉で彼女の方をまじまじと見ると

真尋は下を向いて








『泣いてん、の?』





「て、……んの……つき…」





『……え?』







「……手越くんの、嘘つき!最低!!」




真っ赤な顔をした彼女は

ボロボロと涙を流しながら、走り去って行った___












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